お預け ページ25
攻撃の手を休めることなく、ギャラドスは尾を振るう。
“岩石封じ”によって放たれた岩を跳ね返し、“地鳴らし”で足場をぐらつかせる。
隙が出来たのを見計らったレイラが、小さく口を開く。
「……“アクアテール”」
上から、横から、
縦横無尽に降り下ろされる攻撃に、“のろい”により防御を上げて耐えるバクーダ。
最後の攻撃を受け止めたかと思えば、バクーダはギャラドスに再び“のしかかり”を仕掛けた。
攻撃力の上がったそれに、ギャラドスは体を捩って脱出を試みる。
「まさかここまでとはな」
素直に感心した様子のマツブサとは対照的に、レイラの顔には嫌悪感が浮かんでいる。
「アンタなんかに……誉められたところでね……」
ヘドが出る、と言いたげに顔をしかめたレイラは指を鳴らした。
その音を合図としたように、ギャラドスが尾をバクーダの後ろ足に絡み付けた。
そして、尾に水を纏わせるとそのままバクーダを振り回すように吹き飛ばす。
足場に叩き付けられるも、タフなバクーダはのそりと起き上がった。
「このマツブサ様に【メガシンカ】を使わせるか……」
小さく笑ったマツブサの言葉に、レイラは目を細めた。
「メガ……何？」
彼女が思いの外無知なのが面白かったのか、マツブサは左頬を吊り上げる。
「見れば分かる。選ばれた者のみが使える力をな」
眼鏡の弦に伸びるマツブサの手から、レイラは目が離せない。
指先が埋め込まれた石に触れる、
寸前、
ピリリリリリッ
マツブサのスーツの内側から、コール音が響いた。
何やら通信機を取りだし、若干不機嫌そうなマツブサは通信を繋げる。
「何の用だカガリ……あぁ、そうだな……」
ぶつぶつと会話を続ける最中、マツブサが突然「何！？」と声を張り上げた。
「その情報は……既にアクア団もか……」
焦ったように捲し立て、分かったと通信を切った彼はレイラに向き直る。
「キサマには悪いが、決着はお預けとしよう」
冷淡に言い放ったマツブサは、バクーダをボールに戻してスタスタと歩き始める。
「……次やっても……アンタには負ける気がしない……」
隣で立ち止まった彼は、自分を睨み付ける紅目をフッと鼻で笑った。
「お預けのお詫びにアレを持っていけ。我らには必要がない」
マツブサが顎でしめしたのは、足場の奥に佇む謎の機械、
の中の隕石だった。
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます！本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (
レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです！ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます！完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください！ (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます！嬉しい限りです！これからも気長に読んでください！ (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月28日 22時
