近すぎて見えない [Hk×Yb]

__第二幕__ ページ8

yb.side




あの日から光は
冗談で好き好きと言ってこなくなった。



…………ちょっと悲しい。





今までは冗談で

言ってくることが辛かったけど





冗談ででも言われなくなると

心が寂しい。悲しい。切ない。




毎晩寝る前に思い出して

ぐふぐふしてたのになぁ……




「………ぶ！や、ぶ！！」




「っあぃぃ！？あ、光か………」




急に目の前に光の顔がくるもんだから



変な声を出してしまう




「ふはは、何その声？かーわいっ」





かっ、かっ、かっ、か、かかかかか




………かわいいっ！？





かわいい………かわいい………かわいい………





けらけらと楽しそうに笑う光の顔を見ても




オレがこんなにパニックになってるなんて

何も気に止めていないみたい。




「っ、んでさ…なに？」




「え？あぁごめん。
撮影、呼んでるよ？」




「え！？あー、ありがとっ！！」




慌てて立ち上がると




「っわっ！？」




バランスを崩し、倒れそうになる




「っ、あっぶねー…………」




気がついたらオレは光に、ひっ、光にっ………




……………っ、ううう！！あああっ、ひぃっ、うううう……っは、




…………支えられて


抱きしめてられていました……




「大丈夫？」




「ううう、、う、うう
うう、う、う、うう、うん！！！！！」




「そ、良かった」





そう言ってへら、と笑った光の顔が




かっこよくて………かっこよすぎて………





これ以上近くでみたら死ぬ。


確実に死ぬ！！！！






「っ、くううううぁあああっ！！！
はなせぇ、っっ！！！」





バキッ




「い、ったぁ…………」




振り上げた拳が光の顔面へ
クリーンヒット。






やべ、また怒られる。

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