近すぎて見えない [Hk×Yb]

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「なんだよ」




「好き。好き」




「は？また冗談か「冗談じゃねぇっ！！」




短く叫ぶと



何かを察したように
楽屋を出ていくメンバー。


大きく目を見開いて
こっちを凝視してくる薮。



うわ、可愛いっ………




「好きなんだよ。愛してるんだよ……！」




気持ち悪いよね？



愛してるだなんてさ




でももういい。




どうせ嫌われてるんだ




想いの一つや二つ、伝えてもいいだろ？




「何言って………は？」




怪訝そうな顔をして


睨み付けてくる瞳の下。




薄い唇に無理矢理オレの唇を這わせた




「っ！？うぅ……うー！！！」




暴れる手足を押さえつけ



片手で後頭部を押さえ込みながら



ぬる、と舌を滑り込ませて




味わいたくて味わいたくてたまらなかった




薮の口内を貪った




「っ、………！う"っく……っあ！！！」




思いっきり引き剥がされて




目の前には真っ赤な顔をした薮。




「お、まえっ………！しね、よ、っ！！！！」



頬に凄まじい衝撃をくらうと



カバンを引っ付かんでドアの外へと



駆けていく姿がぼんやりと見える




あーあ、嫌われたにもほどがあるな





好きで好きで大好きで
たまらなかったんだけどなぁ………




ごめんね薮。




嫌われてるって分かったから


キスぐらいちょーだいよ。





ぽたり、と手の甲に涙がおちた

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