御92様が江戸に来た様で。

第二十訓 ページ21

「…で？そいつは？」

少し落ち着きを取り戻した彼に、土方さんは訊く

「んー？ あー、こいつはアーサー・カークランド 眉毛って呼んであげて 喜ぶから」

「喜ぶかぁ！！！」


「おいフランシス、こいつが例のか？」

土方さんが彼に訊く

「あー、それなんだけどね？土方くん」

そう言うと彼は土方さんの隣に来て、ごにょごにょと何かを話始めた

「実はね…」そう彼が土方さんに言うと、土方さんの顔色は少しずつ青くなっていった

「…って事だから、これからもよろしくね！」

パッと土方さんから離れた彼は笑顔で語りかける

それと逆に土方さんはなにかに絶望したかのように固まってしまった

(…あっ、そうだ)

僕は彼に少し近づく、神楽ちゃんもそれにつられるようにして着いてきた

彼は僕達に気づいた様で、目線をあわせて「どうしたの？｣と言うように微笑んだ

「こんにちは、僕は志村新八と言います こっちは神楽ちゃんです …あの、あなたは…？｣

僕がそう言うと彼は「あぁ｣と声を出した

「ご丁寧にありがとうね。新八くん、神楽ちゃん」

そう言って彼は僕達に眩しすぎるほどの笑顔を見せた。さっきは気づかなかったけど…この人、綺麗。

髪や目は勿論だけど、自分の見せ方を分かってるというか……アーサーさんや菊さんとは少し違ったイケメンだ

「Bonjour 俺はフラン…｣
「こいつはクソ髭だ。またの名を変態とも呼ぶ。分かったか？神楽、新八｣

「おぅ！分かったネ！｣

「あ゛ーっ！！もう邪魔しないで！？神楽ちゃん、俺はフランシス・ボヌフォワだよ、分かったかい？」

「もうバッチリネ、クソ髭。またの名を変態。合ってるアルか？」

「間違ってる方覚えちゃったよ…どうしてくれるのさ…」

何と声をかけようと迷っているとフランシスさんはあぁそうだ、と言うようにアーサーさんの方を見た

「そういえば、菊はどうした？ 一緒じゃないのか？｣

その質問にアーサーさんは「用事があって今は居ない｣と返した

「で、お前はどうなんだ？｣

「…あぁー…まぁ、この…土方くんが居る真選組ってとこでトーニョと世話になってるよ…うん、｣

フランシスさんは遠い目をしながら答える

「本当ならば、お前と菊って奴も今すぐにでもしょっぴいてやりてぇとこだが、 生憎こっちも人数オーバーだ今回だけは見逃してやる
おいフランシス、もう行くぞ｣

土方さんが『何かしたら分かってるだろうな』という圧をアーサーさんにかけて去っていた

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