【Im～イム～】白翼の乙女《第5章》 (ページ10)

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158話ページ10

思金「なんだ…、
　あのバカでかいマガイは…⁉」

マガイ・セトが船の上にその姿を現す。

「この雷鳴、まるで奴が鳴いているみたいだ。」

マガイ・セトは手を上に掲げ、黒い雷を収束させる。

ドゴォォン

近くの山にその雷を落とす。

・

それを見たクレオパトラは歓喜する。

クレオ「どうじゃジェゼル⁉
　あの時とは違うぞ⁉」

このまま海を巡れば全世界を侵攻できる‼

我が生前の夢……
世界帝国が現実となるのじゃ‼

クレオ「……その前に、
　目障りな羊を焼き殺さねばな。」

その目に復讐心が強く映る。

クレオ「…今行くぞ、アメン神官団。
　アクティウムの再会じゃ。」

・

天妃side

上で大きな落雷の音がする。

被害が少ないと良いが…。

イム「2人ともほぼ外傷は治せた。
　しかし、支部長の枯渇した生命力までは…

　寿命までは取り戻せない。」

近くを見れば、支部長が横たわっている。

八上「彼らは一体どうしたのですか…⁉」

天妃「私も操られていた神官共も魂を喰われたようだ。
　あの女、喰えないぜ。

　何年もまともにマガイの“食料”にするために、鍛えられた神官共を
　拐ったようだ。
　畜生…、そのせいで奴は力を取り戻した。
　ゲホッ」

クソッ‼
こんな体じゃなきゃ…、瘴気に蝕まれた体じゃなきゃ…、
直ぐにでもアイツを殺せ(祓え)るのに…。

天妃「私がもっと強かったら……、
　父さんも、母さんも、お祖母ちゃんも…、支部長も…‼
　こんなに成らなくて済んだのに‼!」

晴吾「姉貴…、それは…」

ヤバイ、涙出てきた。
兄さんにですら、滅多に見せないのに。

悔しいし、謝りたいし。

あの時のことすら、詫びれていない。

八咫「……そいつは違うぞ、天妃。」

天妃「‼」
晴吾「支部長‼」

気がついたのか…！

八咫「…すまんかった…、天妃、晴吾。」

天妃「無理して喋るな‼」

八咫「俺がッ…、お前らの親父を殺したんや…！」

晴吾「⁉」
天妃「…。」