183話 ページ36
桐谷「ていうか、なんで若返ってんの？」
天妃「知らない、ていうか戻らない。
多分、魔力を奪われた反動じゃない。」
桐谷「なる。」
小型船に乗り、なんとか説教を切り抜けた天妃は外に出て桐谷と話す。
天妃「寝る、肩借りるわ。」
桐谷「おう…て、相変わらず寝るの早ッ⁉」
しかも肩ではなく膝。
桐谷「こうして見ると、寝顔は昔と変わらねぇな(笑」
空を見上げる。
晴れた空、その名を持つ日本で初めて出来た友人を思い出す。
桐谷「本当に…皆先に死んでいくよな…。」
晴吾「何がだ？」
桐谷はビックリする。
桐谷「い、いつの間に…？」
晴吾「ついさっきだ。」
桐谷「あ、そうなの？」
晴吾「姉貴、寝てるな。」
桐谷「ああ。君も俺の膝で寝るかい？
Σて酷いな‼ アイアンクローを神様にするんじゃありません‼」
晴吾「ウッセー。姉貴が起きるだろ。」
桐谷「理不尽‼」
ようやく手を離してもらい、顔に手を当てる。
晴吾「桐谷も団服なんて持ってんだな。しかも、白。」
桐谷「ハハハ、8年前までは本部に居たんだよ。
最高位神官“ルシフェル”としてね。」
晴吾はその名に驚く。
イムホテプ並みに伝説扱いの人物だからだ。
桐谷「と言っても、この服。
コンスに着替えてけって言われて部屋に押し込められたのだよ。」
笑う桐谷の目に光がない。
不気味である。
桐谷「君達には悪いことをしたね。
ぶん殴られても文句は言えないよ。」
晴吾「どうだか。」
桐谷「え？」
晴吾「さっきのアイアンクローはそういうことにしとけ。
今度また、稽古に付き合ってくれよ。」
そう言って晴吾は立ち去った。
それを見届けた桐谷は思わず笑ってしまう。
桐谷「全く、晴天といい、晴吾君といいどうして君達はツンデレなんだい…ﾌﾌ。」
下を向いて天妃の顔を見る。
桐谷「あ、これ。
新しいパスポート用意しなきゃな…。」
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作者名：not厨二病者 | 作成日時：2020年3月16日 12時
