【Im～イム～】白翼の乙女《第5章》 (ページ31)

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178話ページ31

イム「その子が今の“器(・)”か。」

晴吾「器？」

ハルちゃん、ラト先輩に押さえつけられてやがる。

天妃「本来は神の声を人間は直に聞くことを許されない。
　というか、そういう規則になっている。
　だけど、神は人間に命令を下さねばならない。
　なら、どうするのか？

　簡単だ。相性の合う唯一の人間を選んで魂を下ろして仕舞えばいい。
　器を通して言葉伝える。
　そうやってこの世界の神達は神託を下してきた。」

イムくーん、睨まないで。

「なんで知ってるんだよ？」ていう目をやめてくれ。

天妃「器になる人間の前提は“生きている”こと。
　即ち、“人間”としての自由を奪われた、一生神の口であることを強いられた奴の肉体だ。」

イム「古代(あれ)から何も変わっておらんのだな。」

あ、イム危ない。

セトに足払いをする。

全員ー天妃/イム「「「「なっ、天妃ー⁉/天妃さーんッッ⁉」」」」

セト気にしてないからええでしょ。

セト「？
　オイオイ何すんだよ。」
天妃「正当防衛。」

セト「あっそ。
　地上に降りんのは何百年ぶりだぁ？
　ホラ、天妃武器構えろよ。
　喜べ、俺が直々に相手してやる。」

天妃「やだ。」

疲れたもん。

セト「ああ、そうかよ。」

意外とあっさり引いたな。

私はある言葉を思い出していた。

『嵐の前の静けさ』

嵐が起きる直前は大体静かなことを…。