171話 ページ24
晴吾side
俺には姉貴以外失うものはない
そう思っていた。
手を伸ばされても自分の方から拒絶した。
それでいいと思っていた。
なのに…、
彼奴らは、
稲羽「知って欲しかったら、今俺にきちんと言いやがれ‼!」
イム「貴様を力ずくでも陽だまりの中に連れて行く!
その強がりの面を剥がしてやる‼」
無視していたのに、
憎んでいたのに、
それでも俺の腕を掴んで行った。
姉貴は俺の背中を押していった。
アメン神官団の皆…、
母さん…、父さん…。
・
マガイ・セトの雷鳴が聞こえる。
晴吾「奴は俺が討つ!」
稲羽「言われねくともお前に華持たすつもりだぜ、けど」
オイ、姉貴。
俺の心を読んでクスクス笑うな。
晴吾「…天空翼手だけじゃ奴に攻撃が届かない。」
「だから、手伝ってほしい」
もう、1人で強がりはしない。
晴吾「改めて、お願いします。」
そう言って俺は頭を下げた。
稲羽「ヴぁ⁉ 敬語⁉ 気持ち悪‼」
あ”⁉
稲羽「慣れねぇことすんなよ、イキナリ‼」
何だよそれ…。
稲羽「けど気分はいいぜ‼
任せとけよ、兄弟‼!」
天妃「…フフフ。」
さっきから笑うなよ。
天妃「ハールちゃんが昔みたいに素直になったなぁって。」
そう言って微笑む姉貴は……
稲羽「オイオイ、お前顔赤い…痛ぁ⁉」
晴吾「うるっせ…。」
天妃「???」
イム「お前は気にせんでも良い。」
(これ、シン(日向)が知ったら魔王降臨ぞ‼)
愛しいと思った。
そりゃ、姉ちゃん好きだし…。
でも今までこんな胸のモヤモヤなかったぞ…。
天妃「一応聞くけど、ハルちゃん。
何か作戦考えてる?
まさか全員でゴリ押しすればなとかなるとか考えてないよね?」
晴吾「ああ。」
何故、分かった⁉
イム(そうじゃった此奴、脳筋だった。
こういうところは姉にそっくりじゃのう…。)
天妃(あーやっぱり…。)
稲羽「ゴリ押しってテメェ俺達を殺すつもりか(怒」
胸掴むなよ。
ツカ、邪魔。
晴吾「そこは、
俺に足んねぇモンをテメェが補ってくれんだろ、イムホテプ。」
“親の仇と手を組むつもりはねぇ”
“補えないモンがあるなら補えるまで強くなるだけだ”
だけど…‼
晴吾「考えを言え、テメェを信じる‼」
イム「〜〜ッ、任せよ‼!」
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作者名:not厨二病者 | 作成日時:2020年3月16日 12時