165話 ページ18
八咫side
迂闊だった。
俺は嫌な予感がして急いで神社に戻ると、
そこには斬り殺された遺体が転がっていた。
あの時の俺の言葉のせいや…！
俺が…、俺の言葉のが親父さんの「覚悟」を壊したんや。
そうしてできた心の隙にマガイが漬け込んだんや‼
廊下を曲がると、親父さんは刀を自分の首に添えて、
晴明「…お願い、です…。
子供達を頼みます…。」
そう言って、俺に子供達を託して逝った。
親父さんが倒れると、
腹から血を出している嬢ちゃんと右目を斬られた坊主がいた。
晴吾「……お父さん。
お父さん。」
動かなくなった父親の名前を呼ぶ坊主。
そんな弟を抱きしめる嬢ちゃん。
俺のせいや…！
貧血を起こして二人とも倒れる。
それを受けて抱きしめた。
叫び声を上げた。
なんて馬鹿なことを‼!
俺のせいや‼!
俺が殺してしまった‼!
俺が…‼!
天妃「……おじさん……。」
嬢ちゃんの意識が…‼
天妃「お父さんの体から黒いの…。」
俺は後ろを見た。
今までマガイに怒りしか感じなかった俺が初めて感じた恐怖。
とっさやった俺は勝てないと直感した。
マガイ「小僧の空色の髪…、そしてそこの小娘の目とその顔立ち…。」
晴天んんんんんんん‼!
シンディシぃいいいいいいい
天妃「うるせぇよ、小童が。
そこで床に這いつくばってろ…。」
嬢ちゃんがマガイに手を翳す。
そこに光の盾が現れてマガイの手を弾いた。
この年でこれほどの魔法を使ったのか、再び気を失ってしまった。
袖の中に仕込んでいた短刀を出す。
胸にあるものを刻む。
御空家の家紋…
この印はあくまで縄…
八咫「こっちやあ‼!」
マガイ「⁉」
マガイが俺の胸に刻まれた
縄を堅く絞め続けるのは
遺志と…
八咫「覚悟やったな…‼」
俺は腹に短刀を構える。
一緒に地獄に堕ちろ
マガイ‼!
俺はこの時、ある事が過ぎった。
俺が死んだらこの子達はどうなる？
今ここで俺が死んだらこの子達は誰が助ける…？
この子達は俺のせいで何もかも失った…‼
俺は2人を抱き上げる。
俺は2人に謝り続けた。
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作者名：not厨二病者 | 作成日時：2020年3月16日 12時
