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ym side
お昼にはちゃめちゃ唐揚げを食べたけど、食べきれなかったのを慧が小さいお皿に移して冷蔵庫に入れた。
山「行こうか」
伊「んっ」
午後は慧が“ドライブ行きたい”って言うから、ドライブに行く事にして、玄関でキスをした。
外ではできないから。めいっぱいのキスをして、外に出る。
行き先はどこでも良いって言うから、都内を抜けてひたすら走って、海沿いを走る。
誰もいないつぶれたコンビニの駐車場で休憩して、また走って。
話しをしたり、音楽を聞いたり、慧はずっとにこにこしてる。
空が少し暗くなって来た頃、やっとナビを操作した。行き先は慧の家。
慧はナビを見ながら寂しそうな顔した。
山「帰りたくない?」
伊「ううん。帰ろう」
帰り道はちょっと静かになった慧。
都内に入る頃には真っ暗で。
山「ご飯、どこか店に入る?」
伊「ううん。大丈夫。山ちゃんはお腹、空いてる?」
山「大丈夫」
伊「んっ」
今日は元々、夜にゲームをする予定にしてて、グループの共有スケジュールにも『配信』って書き込みもしてあるから、今日は慧を家まで送るだけ。
それはきっと慧も分かってる。
慧の家の近くに車を止めたら、慧が手を差し出してきた。
伊「手だけ。ぎゅって」
山「ふっ可愛い」
差し出された手をぎゅってすれば、慧が嬉しそうに笑って、手を引っ込めた。
伊「じゃあね。ゲームは宿題してからだよ」
山「(笑)はいはい」
伊「ばいばい」
引っ込めた手を振って車から降りると、振り返る事なくマンションに入って行った。
「ご飯、食べよう」って言ってくれたら、あとちょっと一緒にいられたのに。
「お昼の唐揚げ、一緒に食べよう」って言ってくれたら、あとちょっと一緒にいられたのに。
ふうってため息をついて、今日、仕事だった男にメッセージを送る。
『迎えに行って家まで送らせて』
文字だけみれば、片思いしてる相手に送るみたいで、笑ってしまうけど、俺の真意を分かってる男から折り返しがあったのは、テレビ局の駐車場についてすぐだった。
『はーい』
それだけ。
それだけだけど、それだけじゃ済まないって分かってる男にメッセージを送る。
『駐車場』
少しすれば、スマホを耳に当てながらお目当ての男がやって来た。そっと助手席に座って、スマホをハンズフリーにした。
エンジンをかけて車を出せば、電話の相手が焦るように謝った。
「ごめん。運転?」
相変わらずの鼻声は、泣いてるから?
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昨日(プロフ) - けーままさん。コメントありがとうございます。キャラ変したいのちゃんをいつか!結局、どんないのちゃんも好きな山田くん。書きたいです。 (2023年2月26日 9時) (レス) id: d0260f9968 (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - 新婚編、ぜひ読みたいですー!!! (2023年2月23日 17時) (レス) @page32 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
昨日(プロフ) - けーままさん。コメントありがとうございます!ですよね〜(笑)山田くんは光源氏論者です。私。最後までお付き合い、よろしくお願いします! (2023年2月15日 18時) (レス) id: d0260f9968 (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - 友達にはわがまま言えるのに恋人には言えない気持ち私もよーーーくわかります😅光源氏なやまちゃん。確かに!!自発光、罪な男ですね。 (2023年2月11日 1時) (レス) @page4 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昨日 | 作成日時:2023年2月6日 19時