光の君(ymin)

☆ ページ19

ym side

混乱。困惑。
なんだよ光源氏って。光の君って。伊野尾姫って。

って、あんなに泣きながらわめく慧、はじめてで。
あれが本当の慧・・・なの？

いつもにこにこ、へらへらして。
喧嘩した事、なかった。
でもそれは、慧の努力の結果だったのか。

なんか

ショックだった。

愛されてるって思うより、ショックの方が大きい。
次にどんな顔して慧に会ったら良いのか分からない。





知「やっと気が付いたの。遅っ」
山「気付いてたんなら言ってよ」
知「いやいや、光の君とか姫にはびっくりだけど」
山「だよねぇ！びっくりなのよ！」

呼び出したのは知念。
外じゃ出来ない話しだから、家に呼んだ。

知「涼介が配信した日に仕事で一緒になると、いのちゃん、明らかにテンション低いし、目は腫れてるし」
山「気が付かなかった」
知「涼介が僕とゲームの話しをしてると、泣きそうな顔してるし。涼介が友達と電話してると泣きそうだし」
山「だから！気が付いてたんなら言って！」

まったく気が付かなかった。
知念の“いのちゃん”愛は、半端無いからなぁ。

知「なんで恋敵に塩を送らないと行けない訳！？あわよくばを狙うに決まってるでしょ！伊野尾姫を狙う殿方はいっぱい居るんだからね」
山「・・・止めてよ。姫呼び。本人は俺にバレたって知らないんだから、言わないでよ。慧に姫とか」
知「言う訳ないでしょ。いのちゃんショックで、倒れちゃうよ」

だから、どうしたら良いか、相談に乗って欲しいのよ。知念。

知「でも止められないでしょ。ゲームも何もかも。光の君くん」
山「選べないよ。どっちかを取らないといけないの？好きなものがいっぱいは、だめなの？」
知「流石、光の君。僕なら迷わず伊野尾姫を選ぶけどね。その覚悟がないんなら、伊野尾姫はもったいない。光の君には」

だって！
選べないよ。

知「手に入るのなら、僕は全てを投げ出す覚悟だよ。でも、いのちゃんが愛してるのは涼介。その涼介は、全てを投げ出す覚悟はない。切ない世界だね」

知念がため息をついて、言った。

全てを投げ出す覚悟をする事が愛なのか？
それは俺の愛じゃない。
それは俺の愛し方じゃないけど、慧が求めてるのは、そんな愛なのかなぁ。

知「話し合えば。いのちゃんと」
山「うん」
知「好きなんでしょ」
山「うん」
知「手放したくないんでしょ」
山「うん」

光の君がうらやましいって知念がささやいた。

そして1日目→←☆

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