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期待なんか最初からしてない。
なんてのは嘘。
期待して、そわそわしながら待ってたけど、山田が配信をはじめた通知が来て、終了。
そりゃそうだ。
明日の仕事は午後から。
俺の家になんか来る理由がない。
昨日作った“めろめろになるご飯のおとも”を冷蔵庫から出して、タッパーに移して冷凍庫に移動。自分で食べるなんて気持ちになれない。
だって、山田は俺がご飯を作ったなんて知らないんだから。
だって、山田は俺が勝手に待ってるなんて知らないんだから。
山田は、俺が泣いてるなんて知らないんだから。
『仕事、終わって家に着いたら、電話しても良い?』
高木からのメッセージに、もう我慢できなくて声をあげて泣く。
高木だったら良かった。
高木だったら良かった。
高木だったら良かった。
もう、何回、何百回、何千回も思った事をまた、思う。
優しくて、俺に寄り添ってくれる高木を好きになったら良かった。
『大丈夫。覚悟してたから落ち込んでない。光の君は忙しいんだよ。配信って、他の人の所に行ってないのが分かるから、ラッキー!(笑)』
高木は今日は仕事だったから、疲れてるだろうから電話はしないって、決めて送ったメッセージ。
なのに、1時間くらいしたら電話がなった。
高「まさか、ずっと泣いてたの?」
伊「泣いて・・・たぁ」
高「まったく(笑)」
伊「・・・ごめん」
高「いつもは遠慮なんかしないで電話して来るのに」
いつもごめん。
今日はオフだったから、色々、考えてしまって。
山田の事も、高木の事も。
高「光源氏って結局、どうなるの?ひとりの姫に決めるの?」
伊「まさか(笑)永遠にモテモテだよ」
高「ふーん」
伊「本当の想い人とは添い遂げられない悲しい人だけど、光の君に振り回される姫たちも散々だよね」
光源氏なんて、最初に聞いた時に事務所の大先輩かと思ったけど、今では光源氏は山田涼介で脳内変換される。
時々、山田を見ると平安貴族の着物を着てるまぼろしすら、見えるくらいだから。
って高木が笑いながら言った。
高「現代の光の君は、伊野尾姫一筋でしょ」
伊「どうかな」
高「あの仕事量にゲームに配信に、伊野尾姫に。これで他にも姫がいたらあいつ化け物だぞ。山田涼介双子説が出るわ(笑)」
どうかなぁ。
山田が他に付き合ってる人がいるのかいないのかなんて分からない。分かってるのはひとつだけ。
俺は山田が好き。
俺には山田だけ。
って事だけ。
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昨日(プロフ) - けーままさん。コメントありがとうございます。キャラ変したいのちゃんをいつか!結局、どんないのちゃんも好きな山田くん。書きたいです。 (2023年2月26日 9時) (レス) id: d0260f9968 (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - 新婚編、ぜひ読みたいですー!!! (2023年2月23日 17時) (レス) @page32 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
昨日(プロフ) - けーままさん。コメントありがとうございます!ですよね〜(笑)山田くんは光源氏論者です。私。最後までお付き合い、よろしくお願いします! (2023年2月15日 18時) (レス) id: d0260f9968 (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - 友達にはわがまま言えるのに恋人には言えない気持ち私もよーーーくわかります😅光源氏なやまちゃん。確かに!!自発光、罪な男ですね。 (2023年2月11日 1時) (レス) @page4 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昨日 | 作成日時:2023年2月6日 19時