#109 ページ9
・
・
・
あ「…無言」
いやいやいや〜…無理もないでしょこの状況。なに喋れって言うの？？
先輩「…あ！そういや、名前聞いてなかったね。助けてもらったのに名前聞かないなんて失礼だよね。」
沈黙を破ったのは先輩だった。
あ「っ！あ、でしたね。私は、山下って言います。」
正直、名前なんてどうでもいい。むしろ、教えたくない。
先輩「山下さん、私は山根まりあって言います。山下さん下の名前は？」
あ「…はい、Aです。」
恐る恐る答える。
ま「そっか、Aちゃんって呼んでもいい？」
あ「え…あ、は、い。好きに呼んでもらえれば。」
な、なに！このフレンドリー感。この人の距離感に違和感を感じる。
ま「ありがとう、私の事はまりあでもなんでもっ。好きに呼んでね。」
あ「あ、いや〜…その、じゃあ…まりあさんで。…まりあって顔してますね。」
ま「へ？」
…は！何言ってんだ私。思わず目の前の顔に見惚れて、思ったことを口にしてしまった。
あ「あ、いや、急にごめんなさい。名前の通りマリアさまみたいに綺麗な人だなって。」
ま「…ふふっ、嬉しい。Aちゃんも可愛いよ？」
あ「いや、それはないです。(苦笑)」
なんだ、このぎこちない会話。
ま「Aちゃんはいつから？デザインに目覚めたの。」
あ「え、あ〜…」
この流れでまさかそんな質問が飛び出すとは思ってもなく、返事に詰まった。
あ「あの〜、しっかりデザインってのに興味を持ったのは高校の時です。絵を描くのはずっと好きで。」
ま「うーん、そっか！私も好きなんだよ、絵描くの。」
…うん、知ってる。
あ「…そうなんですか。今は？そういった仕事には？」
ま「うん、諦めちゃった。…託したの、ある人に、私の夢。」
あ「…託し、た？」
と、いうのはどういう意味なのか。でもある人っていうのは…一人だけ思い浮かぶ人物がいる。
あ「あの、その人ってそれだけ特別な人って事ですか？」
と踏み込んでやった。
ま「そうだな〜。そうなのかもね。」
と曖昧な返事に、ちょっとイラッとしてしまう。
まりあさんのふわっとした雰囲気は、天然ものなのか？それとも狙っているのか？
どっちにしろ。私には持っていない女性らしい雰囲気に、敗北感を感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちー(プロフ) - ぱおぱおさん» コメントありがとうございます。毎日だなんて嬉しいです。亀更新で申し訳ございません。。マイペースではありますが、これからも更新頑張って行くのでどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m (2017年8月5日 22時) (
レス) id: 55b4c0a502 (このIDを非表示/違反報告)
ぱおぱお - 本当にこの小説が大好きで毎日チェックさせていただいてます！ (2017年8月5日 13時) (レス) id: 7a2e235d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちー | 作成日時：2017年7月11日 2時
