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…
季節は移り変わって。
彼女と付き合って初めてのクリスマスがやってきた。
待ち合わせしてディナーなんて夢は年末という現実に脆くも打ち砕かれた。
「はぁ…終わんない。なんだよこれ。」
クリスマス限定の商品が好評で。定番商品の追加注文が相次いだため、俺は取引先の対応に追われていた。
そしてそれはAも同じで。
『終わりそうにないごめん。』
『俺もいつ終わるか分かんない。』
ファイト、っていうかわいらしいインコのスタンプを最後に。彼女とのLINEはお昼休みに途絶えたまま。
本社からの電話に少し期待をして出たけどそれは経理からだった。
『照、領収書PDFでいいから先に送ってくれないかな。』
だてさんも年末で忙しいらしい。
「あぁ、ごめん遅くなって。今から送るわ。」
『助かるよ。年内に処理しないとだめでさ。…と、ここからは余談なんだけどいい？』
「なに？」
受話器の向こうの声は、少し楽しそうな感じで。
なんだろ。って。一瞬の間のあと、
『俺結婚するんだ。』
「へ？」
うわぁ。
まさかの先越された。でも。おめでたいニュースは忙しない心をほぐしてくれる。
「おめでとう。なに、いきなりじゃん。」
『うん。お正月には両親も顔を合わせることになって。まぁ、そんな感じです。』
「そっかぁ、結婚式いつなの？」
『あぁそれはまだ。春か初夏くらいになるかも。』
後輩の紹介で付き合い始めた彼女をすごく大切にしてるのは聞いてた。
たしか、ひとつ年上だったな。
電話を切ってからも、Aの顔が頭から離れなくて。
きっと。
彼女も俺の事を思いながら仕事頑張ってるはずだから。
目の前の仕事をひとつひとつこなして。明日は土曜日だから会いに行こうって。オフィスを出たのは日付が変わる頃だった。
「…えっ、まじで、」
マンションのドアを開けると、玄関に見慣れたヒールがひとつ。
「A？」
会いに来て、くれたのかな。
これ、夢じゃないよね。
「…、お疲れさま。」
疲れて帰った部屋に、ソファでブランケットに包まって寝てる彼女がいるなんて。サンタさんはどれだけサプライズが好きなんだろう。
「こんなとこで寝たら風邪引いちゃうよ？」
俺の声に、小さく"うん“って声がするけどもう夢の中だね。
抱き上げてベッドに寝かせて。そっと触れるだけのキスをした。
ありがとう、A。
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みち(プロフ) - うみ♪さん» うみ♪さんコメントありがとうございます。以前も読んでくださってたんですね。不思議なめぐり合わせ、とても嬉しいです!また読んでやってくださいね。 (2021年1月31日 15時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
うみ♪ - こんばんは！初コメです！ケンティーメインのお話の時から好きで、ずっとまた作品見たいなあと思っていてひーくんメインのお話で覗いて見たら作者にみちさんのお名前が！！こんなことってある！？ってなりました！過去作も読ませてもらってます！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: ebee9b3126 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - まりんさん» コメントありがとうございます。このふたりには幸せになってほしいので。その後を書くことにしました。これからもよろしくお願いします。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続編ありがとうございます。幸せな2人の今後の展開がとても楽しみです。更新ありがとうございます。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - おこりさん» コメントありがとうございます。更新なかなかできない時もあったのでお待たせしていたかもしれませんが、読んでいただいて嬉しいです！また番外編書くつもりなので、また読んでやってください！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2020年2月24日 21時
