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…
「おはよ。」
内側からロックを外してドアを開けてくれた彼女は、まだ寝起き特有のほんわかとした雰囲気を残してて。
いとおしくて思わず頭を撫でた。
「おはよう…照、汗かいてる？」
「あぁ、走ってきたから。」
「どこから？」
「実家。」
俺の言葉に目を丸くする。
「なに？」
「え、だって結構距離あるよね。」
「いや、いいトレーニングになったよ。」
照って想像を越えすぎって笑いながら、シャワー浴びる？って聞いてくれる。
これ。
驚きながらも全部受け止めて、結局俺が手のひらで転がされてるのかなって思う。この空気感が好き。
「Aは？」
「私はいいよ。あ、着替えあったよね？」
「うん。」
クローゼットに置かせてもらってる俺の部屋着。些細なことだけど、彼女の部屋に俺の存在が増えていくのが嬉しかったりする。
シャワーを浴びてリビングに行くと、Aが朝ごはんを準備してるとこで。
「俺の分も作ってくれてんの？」
「うん。もしかしたら朝ごはん一緒に食べるかもって思って昨夜準備してたの。だから、良かった。来てくれて。」
ねぇ。
俺が喜ぶこと分かりすぎでしょ。
「もう照、髪濡れてるから。」
「ちょっとだけだから。」
髪からの滴でAの服を濡らさないように。そっと抱き寄せた。
今日はずっと一緒にいよう。俺以外の人をその瞳に映さないで。
「ねぇ、照。ごはん冷めちゃうよ？」
「ん。」
華奢な指先がシャツの裾を軽く引く。
彼女の髪からほのかに香るのは、俺がさっき使ったシャンプーと同じ香り。
「おんなじ匂いするね。」
「…ふふ。」
その日はずっとAのマンションで過ごした。どこか出掛けることも考えたけど、離れたくなくて。
食器を洗ったり、たまってるドラマ見たり。
で。
そばにいる彼女が愛しくてどうしようもなくて。この腕の中に閉じ込めた。
“照、”
吐息混じりに呼ぶ声が時々胸を苦しくさせて。
まだ早すぎるのは分かってるけど。
生涯俺のそばにいてくれるって、二人で生きていくって。
誓い合うには何が必要なのか、もどかしさが身体中を支配していった。
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みち(プロフ) - うみ♪さん» うみ♪さんコメントありがとうございます。以前も読んでくださってたんですね。不思議なめぐり合わせ、とても嬉しいです!また読んでやってくださいね。 (2021年1月31日 15時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
うみ♪ - こんばんは！初コメです！ケンティーメインのお話の時から好きで、ずっとまた作品見たいなあと思っていてひーくんメインのお話で覗いて見たら作者にみちさんのお名前が！！こんなことってある！？ってなりました！過去作も読ませてもらってます！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: ebee9b3126 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - まりんさん» コメントありがとうございます。このふたりには幸せになってほしいので。その後を書くことにしました。これからもよろしくお願いします。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続編ありがとうございます。幸せな2人の今後の展開がとても楽しみです。更新ありがとうございます。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - おこりさん» コメントありがとうございます。更新なかなかできない時もあったのでお待たせしていたかもしれませんが、読んでいただいて嬉しいです！また番外編書くつもりなので、また読んでやってください！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2020年2月24日 21時
