あの日から(H.side) ページ38
(H.side)
付き合って二週間が経過したころ、俺は彼女を実家に連れて行った。
ホントは俺のマンションにも来てほしいんだけど、その街はAの別れた旦那さんの実家があるから。色々気にするより俺の実家のがいいと思って。それに早く家族に会わせたかったし。
玄関で挨拶するAは初めて見るレベルで緊張してる。
「初めまして。Aと申します。いつもお世話になっております。」
手土産のケーキを差し出す手も震えてる。
堅いよ、がっちがちじゃん。面接？ってつっこみたいけど黙っとこ。
こういうとこ見るとさ、守ってやんなきゃって思うんだよね。なんでもできる人と思われるけど、俺はホントのAを知ってるから。
「初めまして。照がいつもお世話になってます。照から色々とお話はお聞きしてます。入社した頃からの憧れの人だって。」
「もう、母さんうるさい。」
余計な一言言わなくていいっつーの。Aのこと、きちんと話しておいたんだけど。入社した日に一目惚れしたのはまだ本人に話してない。
母さんに色々と語りすぎたかな。
「そうなの？」
「…、そうだよ。」
初めて聞いた、なんて。Aの顔がほころんでく。
ゆっくりしていってね、自分の家だと思って。とか。母さんもうすっかりAのこと気に入ってる。
良かった、連れてきて。
まだ早いよ、ってAは言ってたけど、俺としては付き合うなら結婚を前提にと思ってるから。
近いうちに、Aのお母さんにも会いに行くつもり。
「照、お母さん似なのね。」
「あーそれ結構言われる。」
この辺が似てる、って。Aの細い指が俺の頬に触れてくる。
愛しいって言葉に出さなくても伝わってくるような、こんな顔もするんだな。ずっと手に入れたかった、最愛の人。
「…ありがとう。」
「ん？」
「お母さんに会わせてくれて、ありがとう。」
「うん。あ、ごはん食べてくよね？弟も妹も帰ってくるから。」
「…いいの？」
「俺の家族、紹介したい。もちろん、Aのこともみんなに紹介したいんだけど。ダメかな？」
「ダメじゃ、ないけど…。」
あぁ、Aがまた不安そうな顔してる。
俺、もしかして急ぎすぎたのかな。
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みち(プロフ) - うみ♪さん» うみ♪さんコメントありがとうございます。以前も読んでくださってたんですね。不思議なめぐり合わせ、とても嬉しいです!また読んでやってくださいね。 (2021年1月31日 15時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
うみ♪ - こんばんは！初コメです！ケンティーメインのお話の時から好きで、ずっとまた作品見たいなあと思っていてひーくんメインのお話で覗いて見たら作者にみちさんのお名前が！！こんなことってある！？ってなりました！過去作も読ませてもらってます！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: ebee9b3126 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - まりんさん» コメントありがとうございます。このふたりには幸せになってほしいので。その後を書くことにしました。これからもよろしくお願いします。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続編ありがとうございます。幸せな2人の今後の展開がとても楽しみです。更新ありがとうございます。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - おこりさん» コメントありがとうございます。更新なかなかできない時もあったのでお待たせしていたかもしれませんが、読んでいただいて嬉しいです！また番外編書くつもりなので、また読んでやってください！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2020年2月24日 21時
