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…
里子とわかれた帰り道。妊娠検査薬を買って。ちょっとドキドキしながら家に帰った。
「…ただいまぁ。」
「おかえり、意外と早かったね。」
「なんか眠くて。」
「呼んでくれたら迎えに行ったのにさぁ。」
もうお風呂に入ったらしく、照はTシャツにジャージ姿で。
靴を脱いで顔を上げた私を、ふんわりと抱き締めた。
「…俺、Aのこと疲れさせちゃってる？」
「そんなわけないでしょ、照は大事にしてくれてるよ？」
ぎゅーっと抱き締め返すと、ふふって嬉しそうな声がする。
「あんまりお酒の匂いしないね。」
「…、うん、今日はほとんど飲んでなくて。美味しいごはん食べてきたって感じ。」
「お腹すいてたんだ、かわい。」
右手の指でそっと前髪をよけて、私のおでこにキスを落とす。
「お風呂入ってくる？さっき沸かしたとこだから。」
「うん、そうする。ありがと。」
とは、言ったものの。
お風呂どころじゃなく。
私は一人になったところで。ひとつ深呼吸して、トイレで妊娠検査薬を使った。
何度か使ったことがあるけど、いつも、なんにも変わらなかったな…。まぁ、それは。過去のことだけど。
なんて。
思っていた、数秒の間に。
「うそ、」
すぅっと現れた、陽性を表すしるし。
初めて見た変化に驚きを隠せなくて。私は慌ててリビングに駆け込んだ。
「ひかるっ…。」
「ん？」
スマホから視線をこちらに向けた彼が、私の手にしているものを見て目を見開く。
「A、それって。」
「ねぇ、たぶんだけど。赤ちゃん、できたかも。」
こんなことってあるのかな。
私に不妊の原因がないことは分かってたけど。もしかしたら、って不安もあった。
照の子供、本当に私のお腹にいるの？
「明日、休も。で、病院行こう。」
「や、明日打ち合わせ入ってるし。」
「そんなこと言ってる場合じゃないじゃん、俺も休み取るから。」
「照も？」
「だって気になるし心配だから。一人でなんか行かせらんない。」
いや、課長代理と主任が一緒に休み取る？
って言ったんだけど。私が動揺している以上に照も慌てていて。
結局。
課長には体調不良と伝えて、照と二人して午前中だけ休みを取って産婦人科を受診することになった。
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みち(プロフ) - うみ♪さん» うみ♪さんコメントありがとうございます。以前も読んでくださってたんですね。不思議なめぐり合わせ、とても嬉しいです!また読んでやってくださいね。 (2021年1月31日 15時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
うみ♪ - こんばんは！初コメです！ケンティーメインのお話の時から好きで、ずっとまた作品見たいなあと思っていてひーくんメインのお話で覗いて見たら作者にみちさんのお名前が！！こんなことってある！？ってなりました！過去作も読ませてもらってます！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: ebee9b3126 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - まりんさん» コメントありがとうございます。このふたりには幸せになってほしいので。その後を書くことにしました。これからもよろしくお願いします。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続編ありがとうございます。幸せな2人の今後の展開がとても楽しみです。更新ありがとうございます。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - おこりさん» コメントありがとうございます。更新なかなかできない時もあったのでお待たせしていたかもしれませんが、読んでいただいて嬉しいです！また番外編書くつもりなので、また読んでやってください！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2020年2月24日 21時
