insight ページ32
…
「おつかれー。」
「お疲れ様です。」
「宮ちゃんホントに頑張ったねお疲れ。」
「ありがとうございます。」
今日は久しぶりに里子と宮舘くんと一緒に飲みに来た。
取引先の請求書の不備に気が付いた宮舘くんが未然に対処したことで、営業部は経理部に大きな貸しを作ったとか部長は言ってたけど。
「貸しじゃないよね、感謝だよ。ありがとう宮舘くん。」
「いえ、そんな。僕の仕事は会社の帳簿を合わせることなので。」
謙遜の仕方まで完璧な男だ。
「今日はAの奢りだからね〜。」
「いいんですか？」
「感謝してもしきれないんで、好きなだけどうぞ。」
「ありがとうございますっ！」
そこに、照から電話。
「…っ、ごめんちょっといい？」
里子にニヤニヤされながら電話に出ると、ご機嫌ななめな照の声が響く。
『ねぇなんでだてさんもいるの？』
「それは宮舘くんのおかげで、」
『別に飲みに行かなくても良くない？』
里子と宮舘くんと飲みに行くからってLINEで申告したんだけど。拗ね拗ねのまま電話は切れた。
「仲がいいのは素晴らしいことですね。」
「もういい、電源…ってやっぱり切れない。」
「はいはい、甘えん坊なとこが好きなんだもんね。」
来週同じ苗字になるというのに、照の重めの愛情はとどまるところを知らないみたい。
付き合って1年半になる。
その間、住んでる所が離れてる私達は週末だけ会う日々を重ねてきた。彼がこちらに異動してくる事が決まり、籍を入れることになった。
「まぁ、こっちに来たら毎日会社でもAさんと一緒にいられるんだから監視の目も穏やかになるんじゃないですか？」
「だと、いいんだけど。」
「結局束縛されても岩本くんがいいんでしょ。はい、この話おわりー。」
「全部聞こえてますよ。」
…この声は。
「照？なんで？」
スーツ姿の彼がそこにいて。
当たり前のように私の隣に座る。
見渡すと里子と宮舘くんは知ってたようで。何事もなかったかのように飲んでいる。
「俺の出世祝いもしてくれるんでしょ？」
「…、来るんならそう言ってよ。」
拗ねる私の髪を撫でて、満足そうに笑う、大好きな人。
こんなに幸せな日々がやって来るなんて。照が異動になった頃は想像もできなかった。
照。
私の進む道を照らしてくれる人。
これからも、ずっと。
その穏やかな光に導かれて。あなたと歩いていきたい。
おわり
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みち(プロフ) - うみ♪さん» うみ♪さんコメントありがとうございます。以前も読んでくださってたんですね。不思議なめぐり合わせ、とても嬉しいです!また読んでやってくださいね。 (2021年1月31日 15時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
うみ♪ - こんばんは！初コメです！ケンティーメインのお話の時から好きで、ずっとまた作品見たいなあと思っていてひーくんメインのお話で覗いて見たら作者にみちさんのお名前が！！こんなことってある！？ってなりました！過去作も読ませてもらってます！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: ebee9b3126 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - まりんさん» コメントありがとうございます。このふたりには幸せになってほしいので。その後を書くことにしました。これからもよろしくお願いします。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続編ありがとうございます。幸せな2人の今後の展開がとても楽しみです。更新ありがとうございます。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - おこりさん» コメントありがとうございます。更新なかなかできない時もあったのでお待たせしていたかもしれませんが、読んでいただいて嬉しいです！また番外編書くつもりなので、また読んでやってください！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2020年2月24日 21時
