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…
長いキスの途中で、髪を撫でている彼の手が背中をなぞりだしたとき、
「…ねぇ、待って。」
「嫌？」
「嫌じゃない。岩本くんの事、好きよ。だから、最初に話しておきたいの。」
そのまま身を任せてもいいのかもしれないけど、やっぱりちゃんと話しておきたい。
体をゆっくり離すと、彼はおあずけを食らったワンコのような悲しそうな顔になったけど。言いたいことを察してくれたようで、ソファに座ると心配そうに私の顔を覗きこんできた。
「…少し痩せた？」
頬に、優しく指が触れる。
「俺のいないとこで泣いたでしょ。悩んで、いっぱい考えて。」
「…うん。」
「そういうの、もういいから。Aさんの過去も今もこれからも俺が全部受け止めて、守るから。」
やっぱり、私のこと分かってくれるんだね。でも。だからこそ伝えておかなくてはならない。
「ありがとう…あのね、離婚してから、なかなか言いだせなかったの。岩本くんは待ってるって言ってくれたけど、やっぱり彼氏と別れたっていうのとは違ってて。もし、この先に岩本くんの家族が私のことを知ったときにどう思うかとか。考えたら、言えなかった…。」
「Aさんのことはちゃんと家族にも話すし。分かり合えない関係性にはないから、そこは心配しなくていいよ。まぁ、俺の性格も分かってるしね。」
「…、いいの？後悔、しない？」
「しない。だからおいで。」
きっぱりと言い切るその声に、私の躊躇いが小さくなった。
彼に近づいて、肩にもたれ掛かると、大きな手のひらが私の髪を優しく優しく撫でてくれる。
「話してくれてありがと。はぁ…、やっと俺の彼女になってくれたね。」
見上げると、ねぇ照って呼んでよ、と熱量の高い声で囁かれる。
「照…。」
「抱いていい？」
頷くと、ひょいっと軽く抱き上げられて。触れるだけのキスをしたあと、そっとベッドに寝かされた。
何度も名前を呼ばれて、それよりもたくさん好きと囁かれて。
甘くて甘くて、溶けてしまいそうだった。
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みち(プロフ) - うみ♪さん» うみ♪さんコメントありがとうございます。以前も読んでくださってたんですね。不思議なめぐり合わせ、とても嬉しいです!また読んでやってくださいね。 (2021年1月31日 15時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
うみ♪ - こんばんは！初コメです！ケンティーメインのお話の時から好きで、ずっとまた作品見たいなあと思っていてひーくんメインのお話で覗いて見たら作者にみちさんのお名前が！！こんなことってある！？ってなりました！過去作も読ませてもらってます！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: ebee9b3126 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - まりんさん» コメントありがとうございます。このふたりには幸せになってほしいので。その後を書くことにしました。これからもよろしくお願いします。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続編ありがとうございます。幸せな2人の今後の展開がとても楽しみです。更新ありがとうございます。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - おこりさん» コメントありがとうございます。更新なかなかできない時もあったのでお待たせしていたかもしれませんが、読んでいただいて嬉しいです！また番外編書くつもりなので、また読んでやってください！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2020年2月24日 21時
