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…
私の幸せを一番に願ってくれている。それは、痛いくらいに伝わってくる。
親って、いくつになっても大きな存在だな。
幸せになるって約束して家を出たのに。ごめんね。
「真面目なのはお父さんそっくりね。嫌だわそんなとこばっかり似て。」
遺影のお父さんは、私に少し似ている。記憶はあまりないのに、性格まで似てるなんて。
子供、か。
一度壊れてしまった信頼関係は、もう二度と元には戻らない。
私は、もう彼と二人で生きていく気持ちにはなれないから。
嘘を。
つく。
「Aさん冬の限定商品のデザイン上がってきました。」
「ありがと、一緒に見よ。」
「…いいんですか？」
ぽかんとしてる、美南ちゃん。
今までなら私が確認してOKなら美南ちゃんに渡してた、けど。
「この企画、美南ちゃんもメインなんだからね？」
ちゃんと美南ちゃんに、一人ですべて任せられるようにする。
それが、私のやるべきことのひとつだと思う。
岩本くん、心配しながら異動していったから。
ふと彼の事を思い出したのは、何かの予感だったのかな。スマホがメッセージの受信を告げる。
『来週、会えませんか？』
あの日以来初めてのLINEだった。
“好きです、嫌いになりそうなくらい”
“俺Aさんのこと待ちますから”
岩本くんの言葉がフラッシュバックする。
抱き締められた腕の強さも。
会おうって言ったら。
私は彼に寄りかかってしまうかもしれない。
それは、彼に迷惑をかけることになる。
『ごめん、会えない。』
まだ会えない、と本当は言いたかったけど。
ずるい女になりたくなくて。いや、今でも十分ずるいかな。
「Aさん、お腹すきました！」
「はいはい、頑張ったもんね。何食べたいの？」
「やったぁ！じゃあこの前宮舘さんが言ってたイタリアン連れてってください。」
「いいよ。」
正直な子はかわいい。
ひとりで食べるのにも飽きてきたところだし。久しぶりに出掛けよう。
オフィスを出た、その時だった。
「Aっ、ちょっといいかな。」
「あ…。」
あの日より少し穏やかな顔で、私を呼び止めたのは。
幸聖だった。
「…美南ちゃんごめん、、あの、旦那なんだ。」
「あっ、私これで失礼します。お疲れさまでした。」
「ごめん。」
今度埋め合わせをしよう。美南ちゃんごめん。
彼と、話をしなくちゃ。
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みち(プロフ) - うみ♪さん» うみ♪さんコメントありがとうございます。以前も読んでくださってたんですね。不思議なめぐり合わせ、とても嬉しいです!また読んでやってくださいね。 (2021年1月31日 15時) (
レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
うみ♪ - こんばんは！初コメです！ケンティーメインのお話の時から好きで、ずっとまた作品見たいなあと思っていてひーくんメインのお話で覗いて見たら作者にみちさんのお名前が！！こんなことってある！？ってなりました！過去作も読ませてもらってます！ (2021年1月31日 0時) (レス) id: ebee9b3126 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - まりんさん» コメントありがとうございます。このふたりには幸せになってほしいので。その後を書くことにしました。これからもよろしくお願いします。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
まりん - 続編ありがとうございます。幸せな2人の今後の展開がとても楽しみです。更新ありがとうございます。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - おこりさん» コメントありがとうございます。更新なかなかできない時もあったのでお待たせしていたかもしれませんが、読んでいただいて嬉しいです！また番外編書くつもりなので、また読んでやってください！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2020年2月24日 21時
