復讐を誓ったその日から

第19話 ページ20

翼side

暗い夜道を二人で並んで帰る
もしかしたら恋人同士に見えるかも〜なんて思って

いやいやそれはないよな笑笑

なかなか会話が弾まないからたくさん話しかけてみる

『橘さんはさー、なんか趣味とかあるの？』

まずは定番の話から

A「そうですねぇ……最近は読書がすきなんです。特にエッセイが。でもこの前は哲学書も読みましたね……」

『へぇ〜。小説とかは読まないの？』

A「んー……言われてみればあまり読まないかもしれません」

俺も雑誌とかはよく勉強のためとかで読むけど、エッセイはあんま読まねぇかなー



視線を感じ、ふと横を見ると橘さんが俺をじっと見ている

『ん？なに？』

A「あ、……いえ、何でもないです」

『そ？それならいいんだけど』

またまた沈黙が続く
……そーいえば、聞きたいことあったんだよな
なんだったっけ？

……あ、そうそう

『橘さん。俺橘さんのことAちゃんって呼んでもいい？』


A「……お好きにどうぞ」

『やったー！じゃあさ、俺のことも"翼"でいいよ！』

A「え、それは……ちょっと」

『いいからいいからー！あと敬語もなしなし！』

A「ほら、言ってみて！」

Aちゃんが照れてるのか、下を向いている


まぁ、覗き込んだらまた顔をそらされちゃったけどね


Aちゃんが深呼吸をする
そんなに緊張しなくてもいいのにー


A「ふぅ…………翼…………………………さん」


正直呼び捨てがよかったなー、なんて思いながらまぁまぁ及第点かな、とOKを出した

『じゃあ、これからそう呼んでね！』


A「わかりました……」

彼女は渋々、といったようだったがそんなことは気にしない

『あ、敬語もなしって言ったじゃん！二人だけのときでいいからさ』

A「……わかった」


なんだか、今日一日で随分と仲良くなれた気がする

結構舞い上がってるのはバレないように隠して歩いていたら駅に着いた


Aちゃんはここまででいいって言ってたけど、このあとも何が起こるかわかんないし、結局押しきってAちゃんの家まで送ることにした


……Aちゃんの家がどこにあるかもちょっと知りたかったってのもあるしね


　

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