九条天短編集

取り合い2-1 ページ31

今回は誰とのバトルかな？
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天「ねぇ、A。ちょっとい…………」


そう声をかけようとして踏みとどまる



『そうそう！それでさ……』


楽しそうなAの声

誰と話してるのか気になって少し会話を盗み聞き

龍「それで、Aちゃんはどんなのが好きなの？」


この声…………
龍だ
何で龍と話してるの？しかもすごく楽しそうだし


Aも満更じゃなさそう

…………イライラするね


『でさでさ！龍はこれとこれ、どっちのほうがいい？』

龍「んー、俺だったらこっちかな？」

『あーやっぱり？でもあの人がこっちとは言いがたいような……』

龍「たしかにね笑」

『あー！もうどうしよう！？もういいや！龍が決めて！』

龍「え、俺！？え、と……じゃあこっちかな？……いや待って！こっちかも……あ、でも……！」

『もー、優柔不断すぎ！じゃこっちでいいか！』

龍「そ、そんな感じでいいの？」

『いいのいいの！あー、楽しみだな♪』


……元気だなって感心してる場合じゃなくて

堪えきれなくなって声をかける

天「ねぇ、Aちょっといい？」

するとふたりともビクッてした

龍「や、やぁ天(うわ、負のオーラが……)」

『ごめん龍！ちょっと行ってくるね！(て、天めっちゃ怒ってるじゃん……！)』

龍「(さっきの会話、聞かれてなかったかな……？)」


天くんに連れられて二人きりに

天「……ねぇ、さっきのどういうこと？」

『さ、さっきのって……？』

……目、合わせてくれない
そんなに言いづらいことなの

天「とぼけないで。さっき龍とすごーく楽しそうに話してたじゃん」

"すごーく"のところを強調してみる

それでもなかなか目を合わせてくれないからボクはイライラしてAに近づいていく

Aも後ろにさがってくからついには背中が壁に

ボクは右手をAの顔の右側の壁につく
いわゆる壁ドンというやつだ

……結構頑固なところあるの、忘れてた

こういうときは


『ん……っ！はっ……』

キスをするのが１番効果があるのをボクは知ってる

Aがボクの肩を叩いて離れようとするまで意地悪してみる

『……っはな、すからっ！……や……』

……よし、折れたね
やっと話す気になったみたい



　

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