九条天短編集

大切なこと ページ26

※夢主は漫画家です







あー、トーン終わんない…………



もう2日も寝てないよ……




でも仕事だから、最後までしないとね
あと何ページ？あと何時間？


考えたら頭が痛くなるよ……笑








さっ、切り換えて頑張ろう


そういって気合いを入れた直後

(トントン

天「A、コーヒー持ってきたよ」

『あぁ、ありがとう』

そういって入ってきたのは天



天「遅くまでお疲れ様。…………ちゃんと寝てるの？」

すごく不安そうな顔で見つめてくるので嘘をつくのが心苦しい

『うん。寝てるよ』

天「なんで嘘つくの？」

『えー、嘘なんて……』

ついてないよ。

そう言おうとして、コーヒーを机に置いた天が私を後ろから抱き締める

天「ボク、知ってるよ？もう2日も寝てないんだよね？夜もずっと照明ついてるし」


え、何でバレて……笑

天「今何でバレたの？って思ったでしょ？……ボクがキミのことで知らないことなんてあると思う？」

『え、ないの？』

天「あるわけないし」

『じゃあ、私の初恋の人の名前は？』

天「七瀬天」

『あ、あたり……』


うわ、何で苗字まで完璧なの……？
てか、初恋ってばれてるし


天「そういう話じゃなくて！ちゃんと寝ないと健康に悪いよ。それにそんなに隈があったらかわいい顔が台無し」


そうやってさらっと恥ずかしいこと言う……

『でもこのままじゃ締め切りに間に合わない』

天「でもボクはキミが寝てくれないと心配で眠れない」

『本当にこれ以上締め切り破ったらしばかれる』


天「……締め切りとボク、どっちが大事なの？」


……それとこれとは違うと思うんですけど

『……どっちも大事だよ』

天「そこはボクじゃないの？かわいくない」

さっきかわいいって言ってくれたのに
ちょっと嬉しかったんだよ？

『読者が待ってる。天にとってもファンってすごく大事な存在でしょ？』

天「なら、Aのファンのボクのために自分の体いたわってよ」

……その方法ずるくない？





でも、ちょっとヤバイかも


睡魔が……今まで勝ってたのに…………
天と話して落ち着いたのかな？
ちょっと抗えそうにない


天「ほら、眠いんでしょ？ボクがベッドに運んであげるから、もう寝なよ」


『ぅん…………ご、め……ん…………』


天「いいから、目、閉じて？」

天の声を聞きながら眠りにつけるって幸せだなとか思いながら意識を手放した


天「……ほんとに寝るとか無防備すぎ」



おでこにおとされたキスにも気付かずに

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