Killers West Diary (ページ10)

今日:23 hit、昨日:9 hit、合計:14,704 hit

3 ページ10

3

俺の親戚と名乗る人物からの連絡は、その後すぐに来た。

『もしもし…濵田崇裕くん、ですか？』

濵「…そうですけど。」

聞こえたのは女性の声。
おそるおそる、といった感じで、声が僅かに震えていた。
肯定した瞬間、向こう側が一気に騒がしくなる。

『突然連絡してごめんなさい。

連絡先は施設の方から聞きました。

あなたが許可してくれたと言っていたわ。

本当にありがとう。』

さっさと本題に入ってくれないか。
今更あんたらと話すことなんかないのに。
暇潰しになるかと許可したはいいものの、その時になると途端に面倒くさくなってきた。

『私はあなたの、母方の叔母にあたるのだけれど…』

濵「そんで、要件は？」

別にあんたが誰だろうがどうでもいい。
俺はずっと、親と呼べるものは持っていなかった。
もちろん親戚も。
叔母だろうが伯父だろうがどうでもいい。

『あ、ああ。あなたと直接会って話がしたいの。

あなたの両親のこととか、色々と。』

色々と、ね。
俺を引き取りたいとか？
そう考えて笑いが込み上げた。

もし今更そちらの子供になれと言われても、なる訳ないのだが。
というかもう義務教育も終わっているのだからなる必要もない。
ただ、なぜ両親が俺を捨てたのかとか、あの家の使用人だったのかということは少し気になったので応じることにした。

濵「分かりました。どちらでお会い

しましょうか。」

『本当…！？場所は家でいいかしら。

住所は…』

言われたのは姫路の方だ。
ここからなら割とすぐ。
帰りたくなったらすぐ帰って来れるだろう。

『崇裕くん、いつがいいとかある？』

唐突に名を呼ばれ、悪寒がした。
嫌だ、この人に崇裕と呼ばれたくない。

濵「…なら、2日後に。」

面倒なことは早く終わらせるに限る。
俺は2日後、叔母と名乗る人とその家族に会うことになった。