Killers West Diary (ページ5)

今日:7 hit、昨日:26 hit、合計:14,714 hit

5 ページ5

そろそろ、話し終わった頃だろうか。
こちらに向かってくる足音が聞こえる。

桐「淳太くん、話し終わったで。」

中「ほんま？ありがとう。」

照史と入れ違いで厨房から出ていく。
後は家族水入らず、ということなのだろう。
父と弟がいる席に向かうと、2人とも鼻を啜っていた。

『…！兄さん！！』

なぜか突然弟に抱き着かれた。
肩に顔をグリグリと擦りつけてくる。
ああ、鼻水が…。

『淳太、すまなかった。』

身動きが取れない俺を、父は優しく撫でた。
その瞳は弟と同じく赤い。
2人とも泣いていたのだろうか。

中「オトン、優太。泣かんで？

俺はもう大丈夫やから。」

これは本当のこと。
記憶は曖昧だけど、そのおかげで今は普通に暮らせている。

『すまん、すまん淳太。

あの時、お前を1人で日本に置いていって

すまなかった…。連れていけば

つらい思いをさせずに済んだのに…。』

中「でも、俺は日本に残らなかったら

大切な仲間に出会えなかった。

2人にもこうやって再会できたしな。」

俺に抱きついたまま動かない弟の頭を撫でる。
その髪は俺と同じくふわふわとしていた。

『へへ、もっと撫でて。』

中「おりゃっ。」

頭をわしゃわしゃかき混ぜれば、弟が笑い出す。
なんとなく、こんな家族を夢見ていた。
俺にもこんな家族がいたなんて思わなかった。
夢みたいだ。

桐「…淳太くんが兄ちゃんしとる…。」

神「んー、やっぱり血の繋がりって

凄いんやな。

なんか負けた気するわ。」

重「俺の淳太ぁ…。」

桐「待て待て待て、なんでお前居るん。

あとお前のやないし、俺のやし。」

厨房が徐々に騒がしくなる。
本当、皆は変わらない。

中「照史ー。他の皆も、こっち来て。

オトン、優太。俺の友達紹介するな。」

“俺の第2の家族みたいなもんやな”

そう言うと、皆が笑顔になった。