7 ページ14
“崇裕へ
お元気ですか。今、幸せに暮らしているでしょうか。
この手紙をあなたが読むことはないだろうけれど、
どうしても、あなたの幸せを願わずにはいられません。
出来ることなら、私達があなたを幸せにしてあげたかった。
一緒にいたかった。
あなたが生まれたばかりの頃……
神様は許してくれなかったみたいだけど、それでも私達は神様に感謝してる。
だって、河崎のお屋敷で大きくなったあなたに会えたんだもの。大きくなったあなたがそこにいて、とても嬉しかった。
最近、あなたと、あなたのお友達の笑顔が少なくなってきてとても心配です。
助けてあげられたらどれほどいいか…。
でも、私達は何もできない。どうしたらいいんだろうね……
あなたが幸せな人生を歩めることを、お父さんもお母さんも、心から願っています。”
何枚にも渡るその手紙は、俺の幸せを願う言葉で締め括られていた。
俺の幸せを願っていたという、オトンとオカン。
ああ、俺はこんなにも、愛されていた。
『ごめん…ごめんね…。』
『幸せに、してやれ、なかった…。』
炎に包まれた屋敷で、温かさに包まれる。
涙が止まらない。
普通に暮らしたかった。
この2人と一緒に。
�陝悗瓦瓩鵝▲�トン、オカン…。
ごめん、ごめん…。』
殺してしまってごめん、憎んでごめん、2人の愛に気付けなくてごめん。
今更後悔したって遅いのに。
『謝らんで。私達の想いを知ってくれて、
ありがとう。』
オカンが優しく笑う。
『生まれてきてくれてありがとう。
お前は、俺達の宝や。』
オトンが頭を優しく撫でてくれる。
涙が止まらない。視界がぼやける。
2人の優しい微笑みを最後に、俺の意識は吸い込まれた。
---------------
�陝屐朕欧討拭△福�」
目を開けると、炎に包まれた屋敷は無くなっていた。
夢を見ていたのか。
じゃあ、オトンとオカンのあの言葉も俺の妄想か。
いや、でも…。
�陝屮�トン、オカン。俺を産んでくれて
ありがとう。」
なんの償いにもならないだろうけど。
夢の中で笑っていた2人を想い、写真と手紙を抱き締めた。
Fin
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←6
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：百瀬 花楓 | 作成日時：2023年11月10日 15時
