Killers West Diary (ページ13)

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濵「…なんか、色々ありがとうございました。」

その後2時間程滞在し、俺が幼い頃のアルバムなどを見せてもらったり、ビデオを見せてもらったりした。
もう外は薄ら暗くなっている。
心はごちゃごちゃのままだ。

『こちらこそありがとう。まだ、なかなか

受け入れられないわよね…。

ゆっくり、焦らずで大丈夫。またいつでも来て。』

温くなってしまった2杯目のコーヒーを飲み干し、立ち上がる。
無性に、皆に会いたくなった。

『あ、そうだ。これ持って行って。

これは、あなたが持っているべきだと思う。』

そう言って、若い夫婦と赤ちゃん…オトンとオカン、そして生まれてまもない俺が写った写真を、写真立てごと渡された。
俺と両親との、数少ない思い出の1つ。
何も覚えていないけれど、大切なもの。

濵「また、お話聞かせてください。」

そう言って、家を出た。
俺の心は、喜びと、罪悪感に支配されていた。

俺は実の両親を殺した。
俺を捨てた、どうしようもない両親。
それならどれだけ良かったか。

でも俺が殺したのは、息子を愛し、離れても尚何年も彼の幸せを願い続けた優しい両親。
しかも、あの屋敷の中で唯一俺と照史に優しさをくれた。

濵「言ってくれれば、俺は…。」

そんなこと言ったって、もう遅い。
2人は死んだ。俺が殺したんだ。

電車に揺られながら、先程渡された写真立てをそっと撫でる。
写真に触れてみたくて、金具を外す。
そこには、写真とは別に、紙が入っていた。

崇裕へ

その書き出しは、俺の心を大きく動かした。