26 ページ26
side N.Junta
地獄のような日々が始まって、数ヶ月が過ぎた。
中｢お願いします…。｣
家庭教師の、赤ペンを滑らせる音だけが響く。
とにかく難しいテストにも慣れ、解ける問題が増えた。
今まで何度もやってきたテストは良くて90点台。
100点は取れたことがなかったが、今日のは期待出来そうだ。
『…100点。』
中｢…！本当ですか！｣
嬉しくて頬が緩む。
こんなに嬉しい100点は初めてだ。
いつも怖い顔をしている家庭教師もお祖母様
-そう呼べと着物の女性に言われた-
もきっと褒めてくれる。
『何を突っ立っているのです。
早く続きを始めなさい。』
中｢え…？｣
いや、だって俺は今100点を取ったじゃないか。
自分で言うのもなんだが、精一杯の努力をした。
少しくらい褒めてくれてもいいじゃないか。
その時、ノックの音が聞こえた。
『淳太様。食事の用意が出来ました。』
中｢あ、ああ。今行きます。｣
家庭教師に頭を下げ、廊下へ出る。
実は、食事だけは照史や�陲舛磴鵑叛櫃襪海箸魑�された。
この時間が、俺の束の間の幸福だ。
だが、いつもの嬉しさは先程のことのせいで半減した。
桐｢淳太くん！会いたかったでー！｣
中｢照史、昨日も会ったやろ？｣
��｢せやけど寂しかってんもん。
やることないし、学校に行っても淳太居らんし。｣
何故か俺は中学に行かなくてもいいことになっていた。
義務教育だから卒業出来ないということはないが、学校に通えないのは少し寂しい。
中｢ほら、ご飯食べよ。｣
��｢…淳太、なんかあった？｣
中｢ん？…実はな、さっきテストで100点とってん。｣
少し得意気に、2人にそう伝えた。
��｢うっわ、流石淳太やん！
めっちゃムズいんやろ？凄いやんか！｣
桐｢淳太くん凄いな、俺なんてこの間の学校のテスト…。｣
��｢やめろ照史、思い出させるな。｣
どうやら2人は学校の小テストで失敗したらしい。
2人らしいというか、なんというか。
中｢ふふ、めっちゃ頑張ってん。｣
手放しに褒めてくれる2人に、頬が緩んだ。
先程のことは忘れて、今この瞬間を楽しもう。
家庭教師の人には100点なんてどうってことないんだ。
きっとお祖母様は褒めてくれる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1050人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
百瀬 花楓(プロフ) - かえでさん» 全て読んでいただきありがとうございました！面白かったのなら何よりです。暖かい言葉、ありがとうございます。Diaryも更新していくので、そちらもぜひご覧下さい！応援ありがとうございました🥹 (11月7日 16時) (
レス) @page46 id: a2bf7368f1 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 百瀬 花楓さん» 今全部見返し終わりました！！！本当に面白かったです💭💞そして完結お疲れ様です！！！！更新お疲れ様でした🫶✨ (11月5日 16時) (レス) id: 363c0c7cca (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 花楓(プロフ) - かえでさん» コメントありがとうございます！！名前同じですね☺️なかなか続きが思い浮かばずどうしよう…となって2ヶ月以上経っていましたね、本当にすみません。続きを楽しみにしてくださることが、とても励みになります！！更新頑張ります💪 (9月2日 20時) (レス) id: 7d448f9f7b (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - このシリーズめちゃくちゃ好きです…！！！今まで読んできたジャニーズWESTの殺し屋・マフィア系の小説の中で一番好きな作品です。続き楽しみにして毎日頑張りたいと思います😊 (8月9日 12時) (レス) id: 363c0c7cca (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 花楓(プロフ) - 沙耶さん» ありがとうございます！全然更新出来ていませんが、続きを待ってくださる方がいるだけでとても励みになります。お待たせしてしまうと思いますが、待っていただけると嬉しいです。今後もよろしくお願いします！！ (2022年12月28日 0時) (レス) id: dd80aa79c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：百瀬 花楓 | 作成日時：2021年8月14日 19時
