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side S.Daiki
喫茶店が休みである今日、俺は部屋に籠ってパソコンに向かっていた。
ちなみに、パソコンは淳太から借りたもの。
淳太は激しい人見知りで接客業などができないらしく、その代わりに株で金を稼いでいるそう。
淳太はパソコンを株の為にしか使わないので、快く-と俺は思っている-貸してくれた。
もちろん、俺はパソコンを持ってへん。
『…持ってた方が便利やで。』
と淳太に言われたのは記憶に新しい。
重「…なんて調べたらええんや?」
“10年前 事故”と検索欄に入れてクリックをしてみたが、出てきた情報が大量すぎてすぐにブラウザバックした。
さて、どうしたものか…。
重「あー…いや、それは流石にないやろ。」
そうは思いつつ、“重岡大毅 事故”と検索欄に入れてみた。
自惚れにも程がある。
クリックすると、あの事故と全く同じ日付の記事が候補の一番上にあった。
そのページを開くと、PDFの新聞記事が出てきた。
パソコンで見るには少々小さすぎる字を、頑張って追う。
重「は?どういうことや、これ…!」
“齋藤圭祐(48),陽子(45),詩織(18),重岡大毅(10)”
事故にあった人達の名は、そう書かれていた。
こんなん、おかしいやろ。
事故にあったのは俺達家族や。
死んだのも、俺のオトンとオカンと、姉ちゃんで…。
…あれ、顔が分からへん。
なんであの冷たい女の顔が出てくるんや。
なんで、なんで!
重「っ!あ、淳太…?」
中「…しげ、泣いてる。なんかあった。」
淳太の親指が俺の頬に滑る。
確かに、言われてみれば目が熱い。
重「淳太…俺、分からへんわ。」
目の前にいる淳太に抱き着いた。
淳太は何も言わず、頭を撫でてくれた。
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作者名:百瀬 花楓 | 作成日時:2021年2月28日 17時