私の居場所を奪うとか無理ですよ？ (ページ16)

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白崎さんとA先輩が二人っきりで話す前にA先輩が俺の元に寄ってきた

その時の先輩はとても楽しそうで、不気味に笑っていた

だけど俺はその姿ですら美しいと思った

『リョーくん、ちょっと頼みたいことあるんだけどいいかな？』

越前「え……はい」

『難しい事じゃないわ。＿＿＿』

越前「！勿論っす」

゛私たちのやりとりをカメラで収めてほしいの゛

俺はとても嬉しかった

部長でも不二先輩でもなく

俺だけを頼ってきたことに

口元が緩んだのがよく分かった

A先輩はにこりと笑って……

『期待してるよ(ﾆｺｯ』

胸が高鳴ったのがよく分かった

俺は先輩のことが好きで好きで堪らない

゛好き゛や゛愛してる゛でなんて表せられない

A先輩は白崎さんと並んで歩き出した

俺はロッカーの上に置いてあったカメラを持ち、あとをつけた

このカメラはきっとA先輩が置いていった物だろう

様子を伺ってみると、先輩はとても楽しそうに……無邪気に白崎さんに話していた

その時、俺は何でA先輩があんな奴と話しているのかと不安と怒りで一杯だった

今からにでも前に飛び出たいが、そうしたら先輩の邪魔になってしまう

＿＿捨てられるかもしれない

そんなの嫌だ

先輩は俺……俺たちを理解してくれた人

そんないい人に捨てられるなんて無理だ

捨てられるぐらいなら、この世界にいたくない

そう思いつつ、カメラのボタンを押した

すると数秒もしない内に、白崎さんが先輩を蹴っているのが撮れた

ムカつく

先輩を蹴るなんて、許せない

A先輩の綺麗な肌に痣を付けるとか、今の俺なら白崎さんを殺せるだろう

なーんて

蹴られ続けているA先輩を見るとか、見るに耐えなかった

だけど、ちゃんと撮影しないといけない

＿＿その様子を誰かが撮ってるかもしれませんよぉ♪

もう出てきてもいいよね？

A先輩と目が合い、先輩は合図してきた

越前「A先輩っ！！」

泣きそうになるのを抑えながら、A先輩に飛びついたのだ