【アルスマグナ】光のさきには…【九瓏ケント】

46話 ページ48

赤「なあ、あいつ最近変じゃね？」

アキラがくいっと顎で指したのは、ぼーっとしたり急に顔を赤らめたり、かと思えば再びぼーっとしているA。

青「ああ、確かにおかしいですね。」

それを見て奏もコクリと頷いた。

赤「なんかあったのかな？」

青「さあ？気になるなら聞いてみては？」

赤「お前は気になんねーのかよ。」

青「まあ、多少は。でも、見たところ悪い事ではなさそうですし、そっとしておきます。」

2人がAを盗み見ていれば、そこに近寄って行く人物。

赤「あっ、」

青「最近、よく話していますね。」

赤「大丈夫かな？」

青「あの2人なら平気ですよ。」

赤「そうか？」

アキラはそのままAを観察し、奏は持っていた文庫本へと視線を戻した。

「Aちゃん、どうしたの？」

「なんかおかしいよ？」

『あっいや、なんでも！』

彼女に声をかけたのは、クラスメイトの東田と西谷。

奏の言う通り、2人はAに好意的に接しているようだ。

東「悩み事なら聞くけど？」

『ううん。そういうのじゃ…』

と言いかけて、ボンっと音がしそうなくらい赤くなったA。

西「やっぱり悩み事？」

『いや、悩み事…ではないかな？』

東「うちらには言えない事？」

東田が言うと、Aは困ったように焦り出した。

『そっそっそういう事じゃなくてっ…』

西「ひがちゃん、Aちゃんだって言いたくない事の一つや二つあるでしょ。それに…今までの事考えたら、そう簡単に私達を信用できないとも思うし。」

東「あーゴメン、分かってんだけどさー。」

東田はガシガシと頭をかいた。

『あの、2人ともごめんね？東田さんも西谷さんも、いい方だって分かってるんだけど…』

西「もー！Aちゃん！固いよー！」

『…だけど、』

西「何？」

『どうして、私なんかと仲良くしてくれるのかなって…』

Aは現在も突き刺さる視線を気にしながら2人に問いかける。

東「顔がタイプだから。」

真顔でそう答える東に言葉を失う。

東「そんな引かないでよー！私綺麗な顔してる子大好きなんだよね！」

西「私はね、ずっとAちゃんと話したいと思ってたんだよ？」

東「あれ？ねえ、にっしー？私事シカトかな？」

西「だけどなんか近寄りがたくてさー！イメチェンしたら凄い綺麗だしびっくりしちゃって！」

東「にっしー？」

東田を無視して話し続ける西谷に、Aは思わず噴き出した。

東「あっA！笑ったなーこのぉー！」

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