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14話 ページ14

紫「刑務所って…どうして…」

『少し前に…養護施設の代表が未成年に対するわいせつ罪で逮捕されたっていう事件、覚えてますか?』

Aの問いかけにケントは回らない頭で記憶をさかのぼった。

紫「確か…そんな事件もあったような…」

『それが私の保護者代わりだった人です。』

紫「えっ…」

少し震えた声が響くと、一気に室内は静まり返った。

紫「大丈夫…だったのか?」

何とか絞り出したその言葉。

『まあ…最後まではッ…されてませんから。』

目の前の彼女にケントはかける言葉を探した。

『高校に入ってから、逮捕されたので。その時施設にいた子達は別の所に移ったみたいなんですけど。私は新しい身元引受人も決まらないままで。』

紫「だから…連絡がつかなかったのか。」

『なんだか暗い話ばかりですいません。』

紫「いや、話してくれてありがとう。」

ケントの言葉にAは小さく頷いた。

本当はもっと詳しく聞きたいところだったが、彼女もあまり深く聞かれるのは嫌かと思いケントは口をつぐんだ。

『いじめも小学生の時からずっとだったので。被害を最小限に抑えるやり方は知ってるんです。』

紫「それが、逆らわず意見せず?」

『はい。そしたら、それ以上は何もされません。極力、視界に入らないように。地味で陰気で仕事を押し付けられる便利なやつって思ってもらえてれば、私はいいんです。』

紫「本当にそれでいいのか?」

『いいんです。』

紫「俺に出来ることはないのか?」

『ありますよ。』

紫「何!?」

『今まで通り、何も知らないふりして過ごしてください。』

紫「そんな事出来るわけないだろう。」

『先生、約束が違います。口外しないってっ…』

紫「今聞いた事を他人に話すつもりはないよ。」

『ならっ!』

紫「だからって何もしないとは言ってない。」

『そんなの屁理屈です!』

紫「先生は教師である前に、1人の人間だ。教師をしていても、人間的な部分は譲れない。」

『話すんじゃなかった…』

紫「なあ?A。先生を…俺を信じて見てくれないか?」

怒りと、不安に揺れたAの瞳がケントをとらえる。

紫「きっとAの悪いようにはしないから。今より楽しく過ごせるようにっーー」

『無理です。』

紫「どうして?」

『もう人生の半分はこうして生きてきたんです。今更…』

紫「じゃあ、この先もずっとそうやって生きていくつもりか?」

『はい。』

紫「そんなのもったいないだろ。大丈夫。俺を信じろ。」

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炭酸(プロフ) - 剣城萌江さん» ありがとうございます(^^)こんな駄作ですが…先生をより好きになるお手伝いが出来て私は幸せです! (2017年7月8日 10時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 最近リア友にアルスマグナを布教され、見事に沼にハマった新米メイトです。ケント先生推しなので最初からドキドキワクワクしました!これを読んでもっと先生のことが好きになりました(*´ω`*) (2017年7月6日 16時) (レス) id: 869f1bba53 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - あさべるさん» ただいまです!ありがとうございます(^^)読みに来てください!ゆっくりではありますが、書き始めてますので、気長にお待ち下さい(^_^;) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アメさん» ご無沙汰してます。長らくお待たせしました(;´Д`)お気遣いありがとうございます(^^)アメさんもお気を付けて! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - 韮さん» ただいまです!はい!のんびり楽しく頑張ります(^^) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年2月22日 0時

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