34話 ページ34
休日を終えて登校すると、Aにはいつもと違う視線が突き刺さる。
『い…居心地悪い…』
顔をしかめて呟いたA。
赤「何がだよ。」
声がして振り返れば、眠そうなアキラの姿。
『びっ…びっくりした…おはようございます神生君。』
赤「おー、はよ。」
そのまま隣を歩き始めたアキラにAは少し驚いた。
赤「で、何が居心地わりんだ?」
『何か…皆に見られてる気がして…』
赤「考えすぎ…ってわけでもねーな。」
目だけを動かして周りを見たアキラも苦笑いだ。
赤「まっしばらくはしょーがねーよ。」
コソコソと聞こえる噂話は、「転校生か?」という声が多い。
『私…完全に転校生扱いですね…』
赤「だってー。変わりすぎ。誰があの、<地味子>って呼ばれてたやつだと思うよ?」
アキラの言葉にAは肩をすくめただけ。
赤「いい機会だし、もっと明るく振る舞ってみたらどうだよ?」
『明るく…ですか?』
赤「おう、明るく。」
『どうやるんですか?』
赤「んー。例えば、笑顔で挨拶してみるとか?」
『笑顔で?』
赤「ちょっとやってみ?」
『おっ…おはよう。』
ニヤッという効果音が付きそうなほど、不自然な笑顔のA。
赤「おっおう…俺が悪かった…」
その笑顔を見て、アキラは目を伏せる。
「何してるんですか?こんなところで。」
廊下で立ち話をしていると、後ろから聞こえてきた声。
振り返ればそこには風紀委員の仕事を終えた奏の姿。
『泉君、おはようございます。』
青「おはようございます。」
赤「おー、おっす。」
青「それでどうしたんですか?」
赤「いや…まあ、見てやってくれよ。」
再び笑顔を促すアキラ。
Aは先ほど同様に笑って見せると、奏もアキラと同じ反応をする。
『ごめんなさいごめんなさい!私笑顔とか…したことなくてっ』
青「Aさん…無理に笑う必要ないと思いますよ。」
赤「だな。その笑顔じゃ逆に逃げてくわ。」
青「アキラ言い過ぎです。」
赤「本当の事だろ。」
青「だからと言ってあなたはオブラートに包むことをしなさすぎるんです。」
赤「そういうお前だって俺にはオブラートに包まずずけずけ言ってくんだろ!」
青「アキラがどうしようもなさすぎるからです。」
赤「あっ!また!お前、俺にもオブラートをだな!」
2人が言い合いを始めると、聞こえた吹き出す声。
見ればAがクスクスと笑っていた。
赤「出来んじゃん、笑顔」
『え?』
青「笑えてますよ。」
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炭酸(プロフ) - 剣城萌江さん» ありがとうございます(^^)こんな駄作ですが…先生をより好きになるお手伝いが出来て私は幸せです! (2017年7月8日 10時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 最近リア友にアルスマグナを布教され、見事に沼にハマった新米メイトです。ケント先生推しなので最初からドキドキワクワクしました!これを読んでもっと先生のことが好きになりました(*´ω`*) (2017年7月6日 16時) (レス) id: 869f1bba53 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - あさべるさん» ただいまです!ありがとうございます(^^)読みに来てください!ゆっくりではありますが、書き始めてますので、気長にお待ち下さい(^_^;) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アメさん» ご無沙汰してます。長らくお待たせしました(;´Д`)お気遣いありがとうございます(^^)アメさんもお気を付けて! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - 韮さん» ただいまです!はい!のんびり楽しく頑張ります(^^) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年2月22日 0時