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18話 ページ18

ケントとAがやってきたのは、職員室でも科学準備室でもなく、保健室。

『先生…?』

何か言いたそうにケントを見上げたAを保健室へ押し込む。

「あらー?どうしたんですか?」

奥から出てきたのは、保険医にしては過激な服装をしたソソコ。

紫「すいません。こいつ、体調悪いみたいで。」

ソ「本当ですね。こっち来てくれる?えっと…」

紫「俺のクラスのAAです。」

『先生ッ私別に!』

ソ「Aさん、あなた自分で気が付いてないの?体はふらついてるし、顔色も悪いわ。」

有無を言わさずAをソファへと座らせたソソコ。

ソ「とりあえず、体温測ってくれる?」

半ば強引に渡された体温計を体に入れるA。

紫「A、どうして休まなかったんだ?」

『別に…休む理由なんて、ないですから。』

ソ「あっ、昨日私が留守の時先生が代わりに治療して下さった…」

紫「そうです。」

ソソコは保健室の記録を見ながら、Aへと向き直った。

ソ「病院へ行った?」

『はい…九瓏先生に連れて行っていただきました。』

ソ「そう。ちょっと見せてね。」

そういうと、Aの足や腕を診ていく。

ソ「Aさん。これ、誰にやられたの?」

『転びました…』

ソ「転んで出来るような怪我じゃないわ。」

『転んだんです…』

ソ「あなたね…」

その時、タイミングよく体温計がなる。

ソ「熱あるわね。38℃。今日は帰りなさい。」

『でも…』

紫「無理する理由は無いだろう?今無理して、悪化したらどうするんだ。」

ソ「九瓏先生もこう言ってる事だし。いいわね?」

『はい…』

紫「荷物取ってくるから、ここで待ってなさい。」

ケントの言葉にAは小さく頷いた。

ソ「それで、どうしたのこの怪我。」

ケントが保健室を出て行くと、ソソコは再び問いかける。

『…別に。』

ソ「言いたくない?」

『はい。』

ソ「そう…なら仕方ないわね。」

意外にあっさりと引いたソソコに、驚いて顔を上げるA。

ソ「誰にでも言いたくない事の一つや二つあるものよ。」

『すいません…』

ソ「あら、いいのよ。でもね、溜め込みすぎるのもよくないの。もし吐き出せる場所があるなら、吐き出しなさい。話す気になったら私はいつでも歓迎よ。」

そう言ってAに向かってパチリとウインクを飛ばす。

『ありがとうございました。』

荷物を持ってきたケントと保健室を出る。

ぺこりとお辞儀をすれば、ソソコはひらひらと手を振っていた。

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炭酸(プロフ) - 剣城萌江さん» ありがとうございます(^^)こんな駄作ですが…先生をより好きになるお手伝いが出来て私は幸せです! (2017年7月8日 10時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 最近リア友にアルスマグナを布教され、見事に沼にハマった新米メイトです。ケント先生推しなので最初からドキドキワクワクしました!これを読んでもっと先生のことが好きになりました(*´ω`*) (2017年7月6日 16時) (レス) id: 869f1bba53 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - あさべるさん» ただいまです!ありがとうございます(^^)読みに来てください!ゆっくりではありますが、書き始めてますので、気長にお待ち下さい(^_^;) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アメさん» ご無沙汰してます。長らくお待たせしました(;´Д`)お気遣いありがとうございます(^^)アメさんもお気を付けて! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - 韮さん» ただいまです!はい!のんびり楽しく頑張ります(^^) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年2月22日 0時

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