81. 気持ち ↓10/2 up ページ14
あの打ち上げの夜から、二宮さんはたびたびご飯に誘ってくれるようになった。
回を重ねるごとに二宮さんとの間の遠慮だったり、他人行儀だったり、そういうものがどんどん減っていくのを感じる。
事あるごとに二宮さんは打ち上げの夜の私の発言をからかってきた。
「あんなこと言ったんだから、俺の誘ったご飯は強制参加に決まってるでしょーが。仲のいい友達だってことを感じたいんでしょー？」そんなことを言っては穏やかな休日を潰されたことも何度か。
そんな軽いやり取りが楽しくて…幸せで…。
二宮さんが連れて行ってくれるお店はいつも居酒屋の個室みたいな気楽な場所。夜景が似合うようなおしゃれなレストランには行かない。
そういう場所は緊張して肩が凝ってしまうから、ここぞという時以外はあまり行かない私にとってはありがたいことだった。
そういえば最初の方にこのことを話のついでに言ったような気がする。
…ああそうだ
二宮さんが松本さんがいつもお洒落なお店で芸能人に遭遇してるっていう話をしてくれた時だ。
「Aちゃんはそういう場所で芸能人に会ったことある？」って聞かれて
「特別な時以外あんま行かないんです、なんか疲れっちゃうっていうか…」そう答えると、二宮さんは「俺もー」とうへーとした顔をしながら、昔松本さんに無理やり連れていかれた時の話をしてくれた。
このお店のチョイスはあの時の話を覚えていてくれてるからだったら嬉しいな…ただの偶然かもだけど。
.
.
会う回数が増えていくほどに自分の中の二宮さんに対する気持ちは膨らんでいくばかり。
この気持ちの名前が何かなんて、病院を飛び出したあの日にはもうわかっていた。
けれど…それと同時にもう一つの思いが膨らんでくる。
膨らんで膨らんでたまに息ができなくなってしまう。
自惚れかもしれない。
望みが強すぎて自分に都合のいいようにしか解釈できなくなってるのかもしれない。
でも私だって伊達に30年近くも生きてない。始まりの予感は捉えてしまうものだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 538人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
stella(プロフ) - ににょさん» ににょさん、お待たせしていてすみません！これから更新頑張りますのでまた遊びに来てもらえたらうれしいです！ (2017年6月26日 21時) (
レス) id: 5f6675128d (このIDを非表示/違反報告)
stella(プロフ) - たまさん» たまさん、再開が遅くなってしまってごめんなさい！二人が幸せになれるまでちゃんと書き続けていこうと思います！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: 5f6675128d (このIDを非表示/違反報告)
stella(プロフ) - わかさん» わかさん、更新がストップしていてすみませんでした！何度も読んでいただいたなんて光栄です！新しいお話をどんどん提供できるよう頑張ります！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: 5f6675128d (このIDを非表示/違反報告)
stella(プロフ) - A-YAさん» A-YAさんお待たせしていてすみません！これからはこまめに更新できるよう頑張ります！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: 5f6675128d (このIDを非表示/違反報告)
stella(プロフ) - 菜摘さん» 菜摘さんずっと更新してなくてすみません！二人の行く末をまた覗きに来てもらえたらうれしいです！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: 5f6675128d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
