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「かみさま、おめめまっかよ？」
「……ちょっとね、疲れただけだよ」
頬を濡らした涙を強引に袖で拭って、話題を変えるようにAを滑り台に連れていく。子どもというのは良くも悪くも気分屋だ。別のものに気をそらしてしまえば、すぐにさっきのことなんて忘れてしまう。
滑り台のてっぺんに立って、Aがブンブンと音が鳴りそうな程大きく僕に手を振ってくる。
それに小さく手を振り返せば、バランスを崩したAは階段から落ちかけて、なんとか手すりを掴んで持ちこたえていた。思わず伸ばしかけた手は空を切り、心臓がバクバクと大きく脈打つ。
こういうことがあるから目が離せないんだよな。
「A、落ちたら危ないから気を付けなよ」
「はーい！」
元気良く返事をして、滑り台を滑っては登り、滑っては登りを繰り返す姿を眺める。
元気だなぁ、と何気なく溢すと、さっきまで滑り台に夢中だったAの目がこちらを向いて、ニカッと八重歯を覗かせて微笑んだ。
あの両親は、Aに八重歯があるという特徴を挙げていなかった。笑えばすぐ目につくのに、あの二人は、そんなことにさえ気づいていなかったのだろうか。
自分達でつけた、目の傷は見えているくせに。
「かみさま、すべーだい！きて！」
「僕は滑んないよ」
「えー！いっしょがいい！」
「……」
「いっしょ」
「……はぁ、今回だけね」
「わーい！」
ねぇ、A。僕たちのこの生活には、必ず終わりがやって来る。でも、どうかこれだけは忘れないで。
―――僕はどこに居たって、いつまでも、Aの味方だからね。
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白菜(プロフ) - ひとみ。さん» 誤字のご報告ありがとうございます！早急に訂正させて頂きました！ここから更に面白くなる(予定)ので、是非楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年10月9日 23時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ。 - いつも更新ありがとうございます！毎日楽しみに読ませていただいてます！ページ40の所で、『丸分かり』が『丸和かり』になっています...！これからの展開が楽しみです...！まだまだ気が抜けないこの時期ですが、お体にお気をつけください！長文失礼しました。 (2020年10月9日 19時) (レス) id: 807ddee245 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 千由里さん» ありがとうございます！まさかの一番テンションが高い作品の後でこちらに足を運んでくださったんですか(笑)寒暖差による体調不良にはくれぐれもお気をつけください。これからもゆっくりではありますが頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年10月8日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
千由里 - 白菜さんの小説いつも楽しみにしています。「放送禁止用語連発系女子」をみてきたので落差が激しいです。でもとても現実的でギリギリなのでとても楽しみにしています。これからも頑張ってください。 (2020年10月7日 18時) (レス) id: 57238377df (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントありがとうございます！毎回楽しみにしていただけているなんて本当に嬉しいです。これからも過去最高を更新していけるように頑張りますので、どうぞお付き合い頂ければ幸いです！ (2020年10月7日 16時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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