■かみさまとこうえん ページ45
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―――ショッピングモールへ遊びに行った帰り道。有り余る元気を発散するように、Aは一直線にブランコへ走っていった。
本来は夕方頃までぶらつこうかと考えていた、今回のお出掛け。
だが迷子放送という思わぬ形で目立ってしまったため、僕らは昼食を済ませて早々、ショッピングモールを後にしていた。時刻は丁度二時を回った頃。
そこで丁度通りかかったのが、滑り台とブランコしかないこじんまりとした公園だった。Aにとっては公園という場所自体が初めてらしく、新しい世界へ飛び込むように、僕の手を引いて園内に入っていく。
「かみさま、おして、おして」
「……ちょっとだけだよ」
ブランコに腰を降ろして、僕に背中を押してとせがむA。使ったことは無くてもなんとなくどうやって遊ぶかは分かるらしい。
とてつもなく彼女に甘い僕は辺りに人が居ないことを確認して、徐にAの背後へ回った。
チェーンを掴み、後ろに引っ張って、高めの位置で手を離す。
漕ぎ方が分からない彼女はバタバタと足を揺らしていただけだが、乗っているものが揺れる、というだけで摩訶不思議らしく、終始楽しそうな笑い声をあげていた。被っていた白い帽子が、風に煽られて地面に叩きつけられる。
「A、楽しい？」
「うん！たのしー！！」
こんな生活を送るようになってから、こうした出来事の一つ一つが、酷くかけがえの無いものと感じるようになった。
僕が送っている日々は、今は当たり前かもしれないものが、簡単に消え去ってしまうかもしれないものだ。この笑顔だって、あとどれくらいの間見れるか分からない。明日には、もう見れなくなっているかもしれない。どれだけ目を背けたって、その事実は不変なのだ。
「……そ、か。楽しいか」
―――もし、Aともっと違う出会い方をしていたなら。それこそ、本当に僕の子として目の前に現れてくれたのなら。
僕らは今頃、堂々と街中を歩けていたんだろうか。素顔を晒して、誰の目にも怯えず、普通の生活が送れていたんだろうか。
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白菜(プロフ) - ひとみ。さん» 誤字のご報告ありがとうございます！早急に訂正させて頂きました！ここから更に面白くなる(予定)ので、是非楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年10月9日 23時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ。 - いつも更新ありがとうございます！毎日楽しみに読ませていただいてます！ページ40の所で、『丸分かり』が『丸和かり』になっています...！これからの展開が楽しみです...！まだまだ気が抜けないこの時期ですが、お体にお気をつけください！長文失礼しました。 (2020年10月9日 19時) (レス) id: 807ddee245 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 千由里さん» ありがとうございます！まさかの一番テンションが高い作品の後でこちらに足を運んでくださったんですか(笑)寒暖差による体調不良にはくれぐれもお気をつけください。これからもゆっくりではありますが頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年10月8日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
千由里 - 白菜さんの小説いつも楽しみにしています。「放送禁止用語連発系女子」をみてきたので落差が激しいです。でもとても現実的でギリギリなのでとても楽しみにしています。これからも頑張ってください。 (2020年10月7日 18時) (レス) id: 57238377df (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントありがとうございます！毎回楽しみにしていただけているなんて本当に嬉しいです。これからも過去最高を更新していけるように頑張りますので、どうぞお付き合い頂ければ幸いです！ (2020年10月7日 16時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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