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まずは、迷子放送をするにしろしないにしろ、この子の名前を聞くべきだろう。もしこの子の名前を呼んでいる人が居たら気づくことが出来るし。
「じゃあまず、お名前を聞いても良いかな」
「おなまえ……え、えっと」
「うんうん、焦らなくて大丈夫だよ」
「か、か……」
「か？」
取り敢えず、【か】から始まる苗字であることは分かった。その事を胸ポケットに常備しているメモ帳に記入して、次の言葉を待つ。
【か】から始まる苗字と言うと、なにがあるだろう。……川上？いやいや、それは流石に動画の見すぎ。やばいなぁ、あの人の退職まだ引きずっちゃってるよ。業務中くらい忘れなければ。
ブンブンと私が頭を振ったところで、女の子はとうとう覚悟を決めたように【か】の続きを言い始めた。
「か、かわむらA、ですっ！」
わぁお、意外と良い路線行ってたー。それが私の最初の感想だった。
【カワムラ】がどんな漢字かも言われていないのに、自然と脳内で【河村】に変換されていく。あのまま妄想を続けていたら辿り着けていたことにまず驚いた。
メモ帳に【河村】と記入して、それが合っているか彼女に確認してもらう。
すると「これです！」と言うので、まさかの漢字まで合っていた展開に、ビックリ仰天。川村の可能性だってあったのに、漢字まで。今日は吉日かもしれない。
下の名前も彼女が挙げる特徴からなんとか文字を導き出して、漸くフルネームが発覚。彼女の名前は河村Aちゃん。
「Aちゃんね。どこから来たの？」
「ここですっ」
「都内、と……何度も質問しちゃってごめんね。これが最後の質問だから。今日は誰と一緒に来たの？」
「いっしょ……えっと、お、おとうさん……です」
「お父さんと一緒に……よしよし、じゃあお姉さん、今からAちゃんのお父さん呼んでくるね」
Aちゃんにここで待っていてと伝えて、放送室に向かう。ここでは基本迷子放送や車のナンバーを読み上げたりしかしないため、機械はそこまで複雑ではない。
全体放送のボタンを押し、外でアナウンス開始の音楽が流れたのを確認した後で、私はマイクに口許を寄せた。
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白菜(プロフ) - ひとみ。さん» 誤字のご報告ありがとうございます！早急に訂正させて頂きました！ここから更に面白くなる(予定)ので、是非楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年10月9日 23時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ。 - いつも更新ありがとうございます！毎日楽しみに読ませていただいてます！ページ40の所で、『丸分かり』が『丸和かり』になっています...！これからの展開が楽しみです...！まだまだ気が抜けないこの時期ですが、お体にお気をつけください！長文失礼しました。 (2020年10月9日 19時) (レス) id: 807ddee245 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 千由里さん» ありがとうございます！まさかの一番テンションが高い作品の後でこちらに足を運んでくださったんですか(笑)寒暖差による体調不良にはくれぐれもお気をつけください。これからもゆっくりではありますが頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年10月8日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
千由里 - 白菜さんの小説いつも楽しみにしています。「放送禁止用語連発系女子」をみてきたので落差が激しいです。でもとても現実的でギリギリなのでとても楽しみにしています。これからも頑張ってください。 (2020年10月7日 18時) (レス) id: 57238377df (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントありがとうございます！毎回楽しみにしていただけているなんて本当に嬉しいです。これからも過去最高を更新していけるように頑張りますので、どうぞお付き合い頂ければ幸いです！ (2020年10月7日 16時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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