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ご飯をついできた茶碗を元の位置に置いて、再び正面に腰かける。もうずっとこの光景を眺めているが、一向に飽きない。味噌汁一杯ではしゃいで、おかわりにはしゃいで、酢の物の酸っぱさに驚いて。
こんなにも、なんだ、リアクションしてくれると、流石に嬉しいものだ。
「ねぇ、A」
「んー？」
徐に名前を紡ぐと、口許にご飯粒をつけたまま、彼女が顔を上げる。あれから更にもう一杯おかわりしたAは、計三杯目であるご飯もペロリと平らげ、満足そうに机の下で足をパタパタと揺らしていた。
「名前、聞いても良い？」
「おなまえ？」
「うん。お名前」
「かみさまは？」
「僕？僕は、河村拓哉です」
「AはかんざきAです！」
カンザキ。どの漢字を当てはめるべきか悩んでいると、彼女の方から「かみさま、おんなじなの！」と助言を頂く。
なるほど。ということは【カンザキ】は【神崎】という表記なのだろう。合っているかの自信はないが、確かめようが無いんだからそう仮定する他無い。
ご飯を三杯も食べると流石にお腹いっぱいになったらしく、ほっぺのご飯粒をそのままに、Aは椅子から降りてソファーに駆け出していく。
今度「頂きます」と「ご馳走さまでした」も教えないとなぁ、と色んな所に体をぶつける小さな背中を眺めながら、ぼんやりとそんなことを思った。
今度なんて、なんだか僕らしくないけど。
「A、こっち向いて」
「ん！」
「はい、良い子」
食器を一先ず水につけてシンクに置き、ソファーでテレビのリモコンを興味深そうに弄るAの頬からご飯粒を取り除く。
僕の言うことは比較的しっかりと聞いてくれるから、根は良い子なのだろう。こんな子が親からの愛情を受けとることが出来ないなんて、やっぱりこの世に神なんか居ないとしか思えない。居たとしたら、なんの為に居るんだよと怒鳴りこんでやりたい。
僕なんかより、未来あるこの子のことを幸せにしてくれよ。と。
「かみさま、これ、これ！おふとんっ？！」
「お布団だよ。ちょっとほこりっぽいけど」
「おふとん……！！」
「……布団、初めて？」
「はじめて！」
「……そっか」
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白菜(プロフ) - ひとみ。さん» 誤字のご報告ありがとうございます！早急に訂正させて頂きました！ここから更に面白くなる(予定)ので、是非楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2020年10月9日 23時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ。 - いつも更新ありがとうございます！毎日楽しみに読ませていただいてます！ページ40の所で、『丸分かり』が『丸和かり』になっています...！これからの展開が楽しみです...！まだまだ気が抜けないこの時期ですが、お体にお気をつけください！長文失礼しました。 (2020年10月9日 19時) (レス) id: 807ddee245 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 千由里さん» ありがとうございます！まさかの一番テンションが高い作品の後でこちらに足を運んでくださったんですか(笑)寒暖差による体調不良にはくれぐれもお気をつけください。これからもゆっくりではありますが頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年10月8日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
千由里 - 白菜さんの小説いつも楽しみにしています。「放送禁止用語連発系女子」をみてきたので落差が激しいです。でもとても現実的でギリギリなのでとても楽しみにしています。これからも頑張ってください。 (2020年10月7日 18時) (レス) id: 57238377df (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントありがとうございます！毎回楽しみにしていただけているなんて本当に嬉しいです。これからも過去最高を更新していけるように頑張りますので、どうぞお付き合い頂ければ幸いです！ (2020年10月7日 16時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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