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『痛くて苦しくて、もう死んだと思った。』
「ちょっと待てよ。なんの話だ?」
『俺が東日本大震災の時、津波に飲み込まれて肋骨2本と左大腿骨と右足首を折って、死にそうになった話。』
「そんな事聞いてない。」
『言ってねえもん。』
東日本大震災と聞き、佐々木朗希は苦い顔をした。
他の選手もそうだ。
『命からがら逃げてきたと思ったら、直ぐに追い出されるんだもん。分かりやす過ぎだって』
もう、光は宿っていない。
薄ら笑いを浮かべて淡々と話すAに恐怖すら感じていた。
『俺がなんで今まで野球を続けてきたか分かる?』
トーンを変え、また大谷翔平の顔を睨みながら言った。
『復讐。お前だけ成功させてたまるか。この、裏切り者。』
"裏切り者"
そう呼ばれてスーパースターはハッとした。
「…約束…」
➖回想➖
コンコンコン
兄の部屋をノックする、A。
死にかけてから1週間後の日だった。
『兄ちゃん、今いい?』
「ああ。大丈夫だよ。どうした?」
『やっぱりさ、高校卒業したら兄ちゃんメジャー行くの?』
「まあな。そうしたいと思ってる。どうした急に?」
『だって、離れ離れになっちゃう』
あの日の出来事がトラウマになっているAは、家に帰ってから兄にくっ付いて離れなかった。
その事をだいたい理解している翔平は、ニッコリ笑って言った。
「大丈夫だって!離れてたって毎日電話するし、お前が怖かったり寂しかったらシーズン中でも帰ってくるから!」
『ホント?』
「当たり前だろ!たった1人の弟なんだから。約束するよ。お前が苦しくてしょうがない時は俺に言え!ずっとそばにいてやる。」
『…約束?』
「ずっとそばにいる。誰よりも近くに」
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Haul(プロフ) - すみません。初なので仕組みがよく分かっていません…また都度教えてください!ありがとうございます (2023年3月29日 12時) (レス) id: a905d1632b (このIDを非表示/違反報告)
莉詩奈(プロフ) - 失礼します。オ.リ.フ.ラ立っちゃってますよ!更新頑張ってください! (2023年3月29日 11時) (レス) id: 40cb652138 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haul | 作成日時:2023年3月27日 23時