21日目 ページ25
トントン＿＿
トントン：グルさんおるんやろ
疑問形ではなく断定して扉の向こうの相手に呼びかける。
グルッペン：入れ
その、声を合図にトントンは扉を開く。
部屋に入れば、鼻を掠める古い本独特の匂い。
此処は所謂『書庫』で、図書館に置ききれない本や古い書物などを仕舞まっている。
部屋には沢山の本を収納するための棚。その中央に長机と四脚の鉄パイプの椅子がある。
奥の窓から柔らかな春の日差しと、温かな風が入って来てなんだか少し眠くなってくる。
そんな中、目の前で足を組み静かに本を読んでいる男は妙に絵になり話しか難い雰囲気を出している。
まぁ、今更そんなことを言う関係でもないので声をかけるが
トントン：なぁ、グルさん
そう、言えば本に向いていた視線がこちらに向く。
グルッペン：言いたいことは分かる。まぁ、座れ。
そう促されトントンはなるべく音を立てないように座る。だが、少しだけ錆びれた鉄が擦り合い、
椅子が軋む音がする。
トントン：今回の件グルさんアンタどこまで知っとったん？
その問いに対してグルッペンは少し考える素振りを見せた後、ハッキリと答えを出した。
グルッペン：・・・全てだ。
トントン：…やっぱりそうなんやな
グルッペン：なんだ気づいてたのか。
トントン：これでも付き合い長いんで。ってことは優香の彼氏って
グルッペン：あぁ、海斗兄さんだ。
海斗兄さんっと言っているが、実際は近所のお兄さん。二人は小さい頃からよく面倒をみてもらっていたため、本物の兄の様な存在だ。
トントン：ちなみにいつから？
グルッペン：あぁ、確か一昨年の夏に熱中症で倒れかけていた優香を海斗兄さんが助けたのが出会いで、去年の夏に付き合い始めたはずだ。
トントン：それで、どうしてグルさんはそんな詳しいん？
今回の件は理事長＿＿実の親位しか知らなかった事を何故この男がここまで詳しく？
…はっ！？ま、まさかお、脅して？
グルッペン：言っとくが脅してないからな
トントン：！？
グルッペン：全部顔に出てるゾ
トントン：ん゛んっ、まぁ、それは分かったわ。でも、なんで優香はグルさんにそんな詳しく話とったん？
グルッペン：あぁ、それは休日海斗兄さんと図書館から出てくるところを優香に見られてな。
それを、聞いたトントンは少し目を見開きじっとグルッペンを見つめる。
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カコ(プロフ) - コメント失礼します！この作品面白くてすごく好きです！！できたらでいいので更新欲しいです！ (2020年7月27日 0時) (
レス) id: e319902130 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ猫(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！本当にお久しぶりです…これからもボチボチ失踪回数減らして頑張りたいと思います（（ (2018年6月4日 23時) (レス) id: 90084afcb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - はじめまして 更新されててすっ飛んできました この小説とても好きです！気長に待ってます(o^^o) (2018年6月4日 22時) (レス) id: 731d781e91 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ猫(プロフ) - 一般人だったさん» こちらこそコメントありがとうございます！そう言って頂けると物凄く嬉しいです＾＾ん゛んんっ！ぜ、全作品好き・・・最高の褒め言葉ありがとうございます！！ユキ猫のやる気の餌です。ホント。ゆっくり更新ではありますが、これからもよろしくお願いします! (2017年10月15日 1時) (レス) id: 90084afcb6 (このIDを非表示/違反報告)
一般人だった - 妹ちゃんが面白すぎです！ユキ猫さんの作品全て好きです。頑張ってください。気長に待ってま〜す。 (2017年10月14日 11時) (レス) id: a178b1e25e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ猫 | 作成日時：2017年9月3日 13時
