ヘミングウェイの口論 / pi ページ10
「此処、行きつけの店なんすよ」
「そうなんですね」
目の前のヤツはショッピ。警官。同僚。エリート中のエリート…だが、私の中の認識は食えない野郎。
何故そんな野郎とセンスのいいバーにいるのか？ふむ、それでは声を大にして。
ど う し て こ う な っ た
酒でうまく働かない頭で必死に考える。ああ、始まりはそう、今日の夕方である。
「本日より、君を巡査部長に任命したいと思う」
「拝命致します」
高ぶる気持ちを抑えて、部屋を出て、角を曲がって――そう、そこでヤツに会ったのだ！！
「こんにちは、Aさん。巡査部長に昇格なさったんやね」
おめでとうございます、なんて言われて、やっと格が追いついた同期に言われても嬉しかねーよ！と心の中で悪態を吐く。
「ありがとうございます」
…が、心の声を口に出さずに微笑むのは基本スキルである。
そうやって心の声と実際の声が正反対なまま話をして。
それで、祝いに一杯、なんて誘われたんだ。
なんでお前と、とは思ったが丁度良い断る理由が見つからなかったのと酒で弱み見つけられないかなー、なんて軽い気持ちでOKを出したんだった。
「―さん？Aさん？」
まずい、ぼーっとしていた。
何か話題を―ああ、
「今日はわざわざありがとうございます」
「いえ、お気にせず」
私の中でヤツは食えない野郎だ。だが、仕事は出来る野郎でもある。
だから、今夜くらいは酒のせいにして。
「マスター、ブラッディメアリーを」
滑ってきたグラスに手を伸ばしながら、口角を上げる。
「巡査部長殿、良ければ次の仕事、私と組みません？」
酒言葉、燃える私の心。
私が彼の噂を知っているということは、私より大分情報網が広いであろうあっち側も、私が彼と同じ思想を持つと知っている筈だ。
元優秀な警官現泥棒。裏切り者のコネシマ、彼を裁く。
どうか頷いて。上層部に登り詰めて改革していつかあいつをこの手で裁くためには、あなたと組むのが最適解なの。
「…この程度で酔ってるんか？嫌いなはずの俺に、組もう、とか言うんすね」
綺麗な顔を歪ませて煽る笑みをひとつ。
「マスター、彼女にアレを。
今夜は俺が持つんで、存分にストレスを発散してから出直してくれへん？じゃ、明日早出やからお先に〜」
――滑ってきたグラスの中身はブルームーンだった。
酒言葉、出来ない相談。
ガリッ、口の中の氷を勢い良く噛み砕く。
あんにゃろーやる気か？絶対頷かせてやるよ！！
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外ピ - ｳｯｷｬｳｯｷｬｷｬ!ｳｯｷｬｰ!(ワオ手チ化)お節介機械ちゃんパロだいすこです。 (2020年4月21日 23時) (
レス) id: 6c3752b497 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - 某お節介機械と社会人に見覚えがありすぎて…構図が目に浮かんで思わず笑ってしまいました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: 63e18043ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ある | 作成日時：2019年1月27日 11時
