女性M：end / ut ページ3
「ごめんなあ、今日でこういうコト終わりにさせてもらっていいかな？」
その言葉を彼から告げられた瞬間、生きた心地がしなかった。
わたしは所詮、世間で言う名家とかいいとことかそういう家系に生まれた。
周りからの過度な期待に押しつぶされそうになりながらも必死に足掻いてもがいて認められようと躍起になる日々。
そんな時、うちの主催する創立記念パーティーで出会ったのが彼だった。
場にふさわしい仕草でありながらも影で女性に視線を流し、その美しい顔立ちと声で甘い言葉を囁いて虜にする。
ああ、彼ならば、と思った。
彼なら敵対企業の回し者でもいい、遊び人でもいい、この退屈な日常にきっとスパイスを与えてくれるだろう、と。
そして話しかければ勿論大成功。
顔は悪くないと自負していたし、何よりそこらの女とはかける金が違う。きっと遊んでもらえるだろう、と確信していた。
政務勉強マナーダンスレッスン執務会合食事会…と、ドラマでもあるまいに現代社会ではあまり信じられないほどの漫画のような豪奢絢爛な貴族の生活。
たまに開催されるパーティーに偽名で彼に招待状を送り、一夜だけの夢を見る。
彼が遊び人であることも自分が夢見ることを許されない立場であることも承知の上で、わたしは彼に恋をしていたんだと思う。
そこまで理解した上で、彼が私に手を伸ばして、荘厳な鐘の音の下で2人キスする日を夢想していた。
手筈は全て整っている、私の頭脳と我が家の財力を持ってすれば、
ああそうよ、私のここまでの苦労はきっとこのためにあった！
きっと彼は酔っているだけなのだ！
この宣告、終わりだなんてそんな言葉、
気まぐれな神がボタンをちょっとだけ押し間違えたんだ。それだけだろう。
ね、大丈夫だよ、鬱。
ね、来世でいっしょにやり直そうよ！
いつも通り彼を呼んだパーティー、バルコニーで2人密着していたから、彼の手首を掴むのは容易かった。
柵から優雅に身を躍らせる。
ダンスレッスンであれほど学んだ。
彼の目に最後に映るのが一等美しい私であるように。
ふわり、視界の端を宝石ばかりの藍色の布が舞い落ちる。
ふわり、見慣れたくたびれたスーツの布が舞い上がる。
ね、私の手を振り解いて両足をつけたバルコニーで安心した笑みを浮かべるあなたは嘘でしょう？
ね、やり直したらあなたはリスクを犯してもわたしを選んでくれるでしょ？
ね、つぎこそ、おねがい、わたしのこいを、
太陽色の恋煩い / sha→←少女S：restart / ut
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外ピ - ｳｯｷｬｳｯｷｬｷｬ!ｳｯｷｬｰ!(ワオ手チ化)お節介機械ちゃんパロだいすこです。 (2020年4月21日 23時) (
レス) id: 6c3752b497 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - 某お節介機械と社会人に見覚えがありすぎて…構図が目に浮かんで思わず笑ってしまいました。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: 63e18043ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ある | 作成日時：2019年1月27日 11時
