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Story.4 ページ5

「し……失礼しまーす」

大きな理事長室の扉をノックし中に入ると、サリバン様とセキュリティデビルのオペラさんが待っていた。

サリバン様、にっこにこである。怖い。


「イルマくんにはもう会ったかい?」

「い、いえ……ちょっとだけ、ちらっとだけ中庭で見かけたぐらいで……」

「ふむ、それじゃあもう視た(・・)みたいだね」

そんなサリバン様からの問いかけにブンブンと大きく首を横に振る。
絶対に、断じて見ていないことにする。人間だなんて知っているとか特大の爆弾であること間違いない。

「い、いえ?何にも視てません。断じて何も知りません」

「君のお父さんからも聞いているよ、一族の中でもとても優秀な目をもっているとね」

「だから、何も視てません!!」

「それじゃあ紹介するね、僕の可愛い孫で人間(・・)のイルマくんです!」

「だから視てないって言ってんだろ馬鹿理事長!それ知るとパパの思惑通りバビルスから逃げられなくなるだろうが!

あ、……あーあ。
……聞かなかったことにできないですか?」

時に、“知っている”という事実が弱みになることがある。今のように。
ついポロッと情報を渡し、未熟だなと嘲笑うパパの笑顔が浮かんでイラッとした。

面倒ごとは避けたいという願いは叶わないようだ。

「ふむ、イルマ様が人間と知らない悪魔の反応ではなかったですね。
ミハイル様が社交界で自慢して回ってるご令嬢がこれほどの方とは」

「僕の魔術を簡単に見破るなんて、さすがブルクハルト家のご令嬢だね」

「ミハイル様が……自慢……?引きこもってわたしの評判下げる作戦が台無し……。マジでいつか報復してやる……」

ミハイルとは、パパのことである。
一応親バカの皮を被っているパパは、わたしのことを自慢していたらしい。
外堀から埋められている。本当に勘弁して欲しい。


ちらっとサリバン様が指す方をみると、先程中庭でみた少年だ。気が弱そうにヘラヘラしている……というか、怯えている。

それもそうだ。人間界に悪魔は存在しないのだから。

時に、わたしにはうっすらと前世の記憶がある。
情景が浮かぶ程度であり、今のわたしの人格にはなんら影響はしていないのだけれど。

わたしは、悪魔と契約して魔界に魂を売り渡した元人間だ。

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あまね(プロフ) - 待ってます👊 (5月8日 19時) (レス) @page15 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 琉愛(るあ)さん» お久しぶりです、いつも読んでいただいてありがとうございます!頑張って書きますね! (2月10日 15時) (レス) @page6 id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
琉愛(るあ)(プロフ) - 近藤。さん新作ありがとうございます!!近藤。さんの作品はいつもいつもとても素晴らしいものなので今回の作品もめちゃくちゃ楽しみにしてます!!! (2月10日 14時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:近藤。 | 作成日時:2024年2月9日 1時

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