Story.2 ページ3
「ぐすん、Aちゃんの制服姿が見られる日が来るとは……パパ嬉しいよ」
「うるさーい！！非道！鬼！悪魔！！」
わたしが涙目で放った蹴りはひょいっとかわされ、目の前には嬉し泣きするパパ。
薄々気がついているかもしれないが、うちのパパは娘大好き……の皮を被った超絶スパルタ教育ファザーだ。
本気でわたしに家業を継がせる気らしい。
しかも、ヘニャヘニャしてダメそうに見えて、
物腰は柔らかく、相手に警戒心を与えず、頭の回転は早く、強く、病的に自分本位。
まさに魔界で商人をするのにうってつけなありとあらゆる素質を持っているのがうちのパパという訳だ。
つまり、学校にも行っておらずランク付けもされていないへっぽこ悪魔であるわたしがパパに抗う術などなく。
「この恨み、いつか絶対報復するから……！」
「うんうん、やられたらやり返す。それでこそ商人だよAちゃん。
行ってらっしゃい〜！」
わたしの悲痛な叫びも虚しく、わたしをバビルスへ送り迎えをする気でパパが準備していた馬車の中に突っ込まれ、泣く泣く入学初日を迎えることになった。
*
悪魔学校バビルスは、消失の魔王デルキラ様を初めとして優秀な悪魔を排出し続ける名門校だ。
そんな名門校に裏口入学にも近い形で、入試も受けていないわたしをねじ込んだパパの、わたしをバビルスに通わせようという執念が怖い。
ていうか、相応の実力もないのに通わざるを得ない今の状況がいちばん怖い。
学校に馬車が到着して、恐る恐る外に出ると、馬車通学は目立つらしく沢山の悪魔がこちらを向く。
「ひぃ〜、無理！」
わたしの目が自然と目の前の悪魔たちに照準を合わせ、情報を読み取ろうとする。
長年の行いで染み付いた癖だ。
無理やりパパに連れ回し続けられたわたしは、切ること以外、家系能力をごく自然に使えてしまう。実は、パパの中の中の格付けでわたしも“優秀枠”に入れられてしまっているのだ。
家系能力を切らないことが大問題であるというのに。
悪魔達の視線に耐えきれなくなったわたしは、家系能力を切る……なんてことはせず、フードを深く被って一目散に学内の茂みに逃げ込んだ。
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あまね(プロフ) - 待ってます👊 (5月8日 19時) (
レス) @page15 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» お久しぶりです、いつも読んでいただいてありがとうございます！頑張って書きますね！ (2月10日 15時) (レス) @page6 id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 近藤。さん新作ありがとうございます！！近藤。さんの作品はいつもいつもとても素晴らしいものなので今回の作品もめちゃくちゃ楽しみにしてます！！！ (2月10日 14時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2024年2月9日 1時
