Story.1 ページ2
「Aちゃん、バビルスに入学しなさい」
「いやですぅ〜。パパその話何回目?
わたしは一生家の外に出ません〜、引きこもりますぅ」
「社交界にも行かない、商談にも来ない、バビルスにも行かない。
……パパはAちゃんを引きこもりに育てた覚えはないぞ」
「残念だったねぇ引きこもりに育っちゃって。
わたしが行っても落ちこぼれに決定じゃん。
……せめて家系能力
「はぁ……、やろうと思えばもうできるよねぇ」
「嫌だ!怖い!他の家系の悪魔嫌い!」
ブルクハルト家……と言えば魔界で知らないものは居ないほど超有名な商家だ。
家系能力【ジャッジアイズ】は、ものの価値や人の能力値を見破るもので、そのため人の嘘が通用せず、商人として最強の盾である家系能力なのである。
この家系能力は生まれつき発動され続けており、この家系では自分の意思で能力を切れるようになった時が一人前とみなされる。
そんなわけで、わたしに家業を継がせるべく、家系能力と商人としての能力を磨くために、わたしのパパは幼少期からありとあらゆる社交の場や商談にわたしを連れ回し続けた。
悪魔は短絡的で、理性がなく、飽きっぽく、すぐ嘘をつく。
わたしは幼い頃から他の悪魔の一倍……いや、数百倍、悪魔たちの織り成す嘘に触れ、触れ、触れ続け。
悪魔不信をこじらせたわたしは、家系能力を切って他悪魔の情報が見えなくなることを拒む、立派な引きこもりへと成長した。
とはいえ、わたしの引きこもりたいという願望に文句を言われる筋合いは無い。
我が家の家系能力の話を聞いて感じたかもしれないが、魔界の防衛に回っても、それこそ尋問官なんてやろうものなら最強の能力である。
だか、我々の先祖はそれをしなかった。
超絶自由奔放で自己中心的。そして家系の利益のためなら言葉巧みに平気で嘘をつく。それでありながら他家系の悪魔の勝手や嘘は許さない。それが我々の家系の本質。
自由を司り、商家として名を馳せる家系の金持ちのお嬢様。
そんなわたし、ブルクハルト・Aはこの数日後、強制的にバビルスに通う羽目になる。
なんと、パパが社交界で直接、悪魔学校バビルスの理事長であり魔界三傑の1柱、次期魔王とまで言われている悪魔、サリバン様にわたしの入学許可を取付けやがったのである。
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あまね(プロフ) - 待ってます👊 (5月8日 19時) (レス) @page15 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 琉愛(るあ)さん» お久しぶりです、いつも読んでいただいてありがとうございます!頑張って書きますね! (2月10日 15時) (レス) @page6 id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
琉愛(るあ)(プロフ) - 近藤。さん新作ありがとうございます!!近藤。さんの作品はいつもいつもとても素晴らしいものなので今回の作品もめちゃくちゃ楽しみにしてます!!! (2月10日 14時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2024年2月9日 1時