Story.15 ページ16
ウィーンと、機械音を上げながらボーダー幹部の揃う部屋の扉が開く。
つかつかと、太刀川隊の隊服を着たまま足を踏み入れると、真正面に座っているのは城戸司令。
遠征帰りにちらっと会ったため、さっきぶりである。
見ると、その手前ではヒラヒラと迅が手を振っていた。面倒に巻き込まれた予感がする。
そしてこちらを睨みつけている隊員が1人。
三輪である。
「で、なんですか？」
そんな三輪は無視して、呼び出した理由をさっさと言えとばかりに無表情のまま城戸司令に話しかけると、私に質問してきたのは広報部の根付さんである。
「キミが庇ったのはネイバーだぞ、悪いことをしているとは思わんのかね」
「……別に」
「貴様……！！」
私の返答にすごい剣幕で怒鳴りつけてきたのはまたしても三輪だ。
こうも突っかかられると鬱陶しいが、弁明しないならしないで面倒くさそうだ。
だが、謝るつもりもないので、私はゆっくりと口を開く。
「ネイバーが悪とかどうとか、これだけ沢山私を遠征に派遣しといて今更言いますか？
私が訪れたあっち側の世界、友好的な国も多くありましたけど友好的じゃない国からは
殺しはしてない……ですが、蹂躙して技術を盗んでいく
「4年前の大規模侵攻を忘れたのかね」
「忘れてないですよ。それなりに苦労もしましたし。でも、今回の玉狛の子と4年前のアレは無関係でしょう？
ねぇ、迅」
「ああ、遊真と大規模侵攻は関係ないよ」
「迅の予知、外れたことないじゃない。その迅が、大規模侵攻とは関係ない、仲間に足る、だから護るのを手伝えって言うなら私はそっち信じて手伝いますよ。
……なにか間違ってます？」
私がそう言うと、城戸司令が私の方を見ながら……否、睨みつけながら言った。
「玉狛のネイバーが、ブラックトリガーだとしてもか」
「……は？」
……今ブラックトリガーって言った？
いや、聞いてない！！
私はぎょっとした顔で思わず迅を見る。
得体の知れないネイバーを玉狛が囲いこんでいてオマケにブラックトリガー……。狙われても仕方ない案件である。
すると、迅がそんな私の様子を見て口を開いた。
「城戸さん、今回おれは交渉しに来たんだ。
……風刃を出す、その代わり遊真の入隊を許可してくんない？」
そう迅が言った瞬間、室内がざわついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 690人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
近藤。(プロフ) - レモンとみかん人さん» 私の文章力不足で申し訳ないですが、打月はオリジナル武器です……。孤月とは区別していますので、ご理解お願いします。 (2021年12月13日 10時) (
レス) @page4 id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
レモンとみかん人 - 打月じゃなくて、弧月ですよ (2021年12月11日 12時) (レス) @page6 id: 89af934301 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ハイホーさん» コメントありがとうございます！結構クセのある夢主ですがいい子なので！行く末を見守って頂けますと嬉しいです！ (2021年2月19日 18時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです、是非内容の方も読んで確かめて頂ければ幸いです！ (2021年2月19日 18時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ハイホー(プロフ) - 近藤さん、新作連載ありがとうございます！！近藤さんの原作沿い小説が大好きなので、本当に嬉しいです！今回の主人公ちゃんも最初からインパクト強くてもう好きです……。遠征メンバーや迅たち以外のキャラとの絡みがとても楽しみです！執筆活動頑張って下さい！！ (2021年2月18日 6時) (レス) id: f4fc8fdd6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：近藤。
| 作成日時：2021年2月16日 12時
