Episode.1 ページ2
部下を引連れアポもなしでズカズカと探偵者の中に入ってきたそいつは、社長の名前も覚えていないわヘリポートがどうだこうだと探偵社をディスるわ陶器のブランドがどうこう言うわ、とにかく、財力にものを言わす典型的な金持ち……っていうのが第一印象だった。
腹が立つと思いながらも笑顔を顔に貼り付けナオミちゃんと共に接待する。
まだ高校生のナオミちゃんは少しつっけんどんな態度を取っていたが、若いなぁ……なんておばさんじみたことを考えながら社長とフィッツジェラルドの話を聞いていた。
すると、ふとフィッツジェラルドと目が合う。
普段の暴力女の影も見えない完璧な営業スマイルで彼に笑いかけると、「こんな殿方に笑顔を向ける必要有りませんわ。」なんて、隣のナオミちゃんがボソッと呟いた。
……何か面白い情報でも得られれば、と立ち会った社長とフィッツジェラルドの話し合い。得られた新しい情報は異能力集団が大手を振って仕事をするには異能開業許可証というものが必要らしい。
そしてフィッツジェラルドは、会社ごと許可証を買うために探偵社に訪れたというのだ。
……馬鹿らしい。
私はそんなくだらない話を聞く気が失せて、その場から離れた。探偵社の外に出てギルドのヘリに触れる。
ヘリコプターに搭載されているGPSマーカーの情報を盗み、外に持って出てきたノートパソコンに入力した。
中の音を聴くと、運転手のみが留守番として残っているようだった。警備が甘い。
電波ジャックをする機器をヘリのヘッドセットに接続し、マイクの盗聴を可能にした。
それだけ準備を済ませ、寮の自室に帰り今度こそサボりを決め込もうと思っていたのだが……探偵社からギルドの一行が出てくる。建物の影に隠れてその様子を伺っていると、赤髪の少女が見覚えのある麦わら帽子を投げ捨てた。
……探偵社社員、宮沢賢治くんのものだ。
「先ず一人。」
そんな呟きが聞こえて、悟った。
何らかの方法で賢治くんが消されたのだと。そしてそれはきっと異能力によるものだ。
きっと、殺されてはいない。殺して探偵社の怒りを買うより人質として交渉材料に使う方がよっぽど良い。……そしてこれだけの金持ちが交渉においてミスを犯すとは思えない。
ヘリの羽が回り始め騒音が立った。少しヘリが地面から離れたのを確認して、居場所を見られないよう建物の屋根の下を通り寮の自室に戻った。
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近藤。(プロフ) - ハコ28さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて嬉しいです！続きも頑張りますので楽しみにしていてください！ (2023年5月4日 21時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます！頑張って更新しますね！！ (2023年5月4日 21時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ハコ28 - とても面白かったです❗続きを待ってます。 (2023年5月4日 20時) (レス) id: 4a04534ded (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - めちゃめちゃに面白い作品見つけちゃいました...更新頑張ってください！応援してます！ (2023年5月3日 1時) (レス) @page29 id: 20d746374a (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - エルマさん» コメントありがとうございます…！1年ぐらい更新止まってたのに待っていただいてありがとうございました！たくさん更新したので是非楽しんでください！これからもよろしくお願いします！ (2023年4月25日 18時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2019年6月18日 19時
