Story.27 ページ35
私は迫り来る岩石の腕を片っ端から分解していった。
緑谷は壊理の助けを得ている今、バキバキの超パワーを惜しむことなく発揮することができる。
私も緑谷も1人では治崎廻という人物に太刀打ちすることはできなかった。
けれど、思い出した。雄英に入って、サーの事務所に迎えてもらって、そこには私を囲んでくれる、手を差し伸べてくれる仲間がいた。
私が壊理を助けるんじゃない、私たちで助けるのだと。
今、ようやく気づけた。
「緑谷！！頼んだ！！」
叫んだ声が緑谷に届いたかは分からない。……ううん、この破壊音の中きっと聞こえてなんていないだろう。
でも、思いは伝わると信じて。
破壊、創生。私の個性。
壊せ、兄貴のくだらない理想を。
創れ、私たちが笑える未来を。
絶望を、打ち砕け。
それを、悪とは、呼ばせない。
自分の個性を恐れることなく使いこなす私を前に、私に分解されて削られた敵の回復は追いついていなかった。
だから、その追い付いていない回復の隙を、オールマイトの力で戦う緑谷がつくことも容易だった。
思いっきり緑谷に殴られ地面に叩きつけられた治崎が気絶する。
そうして地面に降り立った緑谷の背に背負われている、壊理の個性が暴走することも想像がついたので、緑谷から引き離してそっと壊理に触れた。
「……嫌！！止まって！！お姉ちゃんが死んじゃう……！！」
そう言って泣き叫ぶ壊理を諭すように頭を撫でながら笑う。
「大丈夫、壊理。私も緑谷も死なない。壊理に人を殺させたりしないよ。」
私は壊理の頭に触れていた手で個性を使い壊理の個性因子に傷をつけた。すると、スッと個性の暴走は止まり壊理が意識を失ってその場に倒れ込む。
その時、グラッと私の視界も歪んだ。
人生で初めてリミッター無しに個性を使った。
兄の個性に張り合うためにいつも以上に駆使した。
今まで、本気でこれだけの時間個性を使い続けたことの無かった私は知らなかった。
私の個性も無限ではないのだということを。
轟のように動きが鈍るわけでも、爆豪のように筋繊維の限界が来るわけでも、緑谷のように体が壊れるわけでもない。
私の個性にはキャパがあった。そのキャパをオーバーすると私は一定時間個性が使えなくなり、意識を失う。
壊理に個性を使ったことでそれをオーバーしてしまった私は、意識を失ってその場に倒れこんだ。
次に目が覚めたのは病院の病室だった。
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ニナ(プロフ) - サーが死ぬところガチ泣きしました。ありがとうございます (2021年3月15日 20時) (
レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
Ama(プロフ) - ほんとに泣きました、アニメ見て泣いたのですが、本当に良かったです、！！小説？書くのとてもお上手ですね！！ほんとにここまで泣いたの初めてです、 (2021年1月8日 3時) (レス) id: 06070d74b0 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» いえいえ！！細かいところまで読んでくれてるんだなーって嬉しかったです！！これからもよろしくおねがいしますね！！ (2019年1月28日 1時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 近藤。さん» ごめんなさい！原作しっかり読んでませんでした……完全に早とちりです……本当にすみません!! (2019年1月28日 1時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» すみません、バブルガールやサーの事務所のメンバーがミリオンと呼んでいるのはわざとです。15巻辺りを読み返していただければ原作でもそう呼んでいる描写がありますので見てみてください！ご指摘ありがとうございました！ (2019年1月28日 0時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年11月30日 12時
