Story.17 ページ25
路地裏て耳をすませてその様子を見ていた。
冷や汗がツーっと頬に伝う。……見てはならないものを、事件になりそうなことを、なんで知ってしまったのか。
時は一時間前に遡る。
*
福岡の支部に顔を出すとメンバーは相変わらずだった。だから、少しだけ昔の顔見知りと話をしてあっさり挨拶をして帰った。
“集音”の個性を使って支部全体の音に聞き耳を立てたが怪しい動きも会話も全くない。
死穢八斎會は私に第二の個性が発現してしまったことを知らないはずだから対策を立てているとも考えられない。
……ヴィラン連合から情報が流れていない限りは。
だが、福岡支部の連中は気が良くて暴力にものをいうタイプの人は少ない。あくまで他の暴力団のメンバーや死穢八斎會の他の支部と比べた場合だが、兄貴が居るなら見張りのメンバーチェンジは必須である。
だから、福岡に逃げ込んだ可能性はほぼ絶たれた。あと、居るとするならば本拠地である。
そんな訳で偵察を終えて帰りの新幹線に乗るため駅へと歩いていた。
福岡の大きい街中には至る所にヒーローがイメージを務めるコマーシャルやポスターが張り出されているが、その中でも大きく貼られている“顔”があった。
「……ホークスだっけ。」
若手の中でも群を抜いてスピード出世し、次々と良い手柄を立てているヒーロー。
速すぎる男、ホークス。
高級腕時計のポスターの中で笑う彼は福岡では職業の事を置いておいても紛れもない“ヒーロー”だった。
だから、そんな彼の普段より数段低い声が寂れた倉庫の中から聞こえてきた時に違和感を覚えてしまったのだ。
関わってはいけない気がする。知ってはいけない気がする。本能が頭の中で警告音を鳴らしたが、嫌になるほどの危機への好奇心がそうさせなかった。
思わず倉庫に近づき立て並ぶ倉庫の隙間、路地裏に入り込んで聞き耳を立てた。倉庫の壁を音を立てないように少し分解して除き穴を作って覗いた。
するとそこに居たのはやはりホークス。そして、
「ヴィラン連合の……荼毘…………なんで……？」
ホークスは強いヒーローだ。そんな人が、何故。
私は隣の倉庫に入り込み、中にあった物を拝借して高性能盗聴器を作った。録音ボタンをONにし、音声のスマホ保存を可能にしたものを倉庫の壁に融合し埋め込んだ。
帰りの新幹線、両耳にイヤホンをつけて電波の許す限り二人の会話を聴いていた。
……それは、紛れもない密会だった。
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ニナ(プロフ) - サーが死ぬところガチ泣きしました。ありがとうございます (2021年3月15日 20時) (
レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
Ama(プロフ) - ほんとに泣きました、アニメ見て泣いたのですが、本当に良かったです、！！小説？書くのとてもお上手ですね！！ほんとにここまで泣いたの初めてです、 (2021年1月8日 3時) (レス) id: 06070d74b0 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» いえいえ！！細かいところまで読んでくれてるんだなーって嬉しかったです！！これからもよろしくおねがいしますね！！ (2019年1月28日 1時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 近藤。さん» ごめんなさい！原作しっかり読んでませんでした……完全に早とちりです……本当にすみません!! (2019年1月28日 1時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» すみません、バブルガールやサーの事務所のメンバーがミリオンと呼んでいるのはわざとです。15巻辺りを読み返していただければ原作でもそう呼んでいる描写がありますので見てみてください！ご指摘ありがとうございました！ (2019年1月28日 0時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年11月30日 12時
